玩具店

つぎ |

  お待ちしておりました(4)  



未だ微かに震えているその肢体を横たえて、起き上がった骸は小さなプラスチックのボトルを取り出す。
トロリと中味を指に落とすと、アナルボールを一気に抜かれてヒクついている綱吉のアナルにそのローションを塗りこめた。
「ンは…っ、あ」
キュウとするような、ぞわつくような感覚に綱吉は頭元の枕に額を押し付けた。
その様子に、吐息だけで薄く笑う気配がした。
「おやおや、そんなにせつないですか?ココ。まだ入り口ですよ?」
ぐりゅっとアナルの入り口付近を指で押しつぶすように回す。
「ひぅ…っん!」
ぎゅうと枕をつかむ。きつく閉じたまなじりから涙が滲んだ。
ちゅぽん、と骸は指を抜いて、手にした次の玩具を綱吉の目の前にちらつかせた。
「これは初心者用に短くて、小さく作られてます。気持ちいい感触をしてるんですよ」
無理矢理手をとって、挿入部分が細めのソフトクリームのような形をしたそれを触らせる。
「ふぁあ…ッ、」
イッたばかりの身体は、どこを触れられてもそこからソーダがはじけるみたいに快感が拡がる。
「あ…、」
無理矢理触らされたそれは、たしかにぷにぷにとした感触をしていた。不思議な感じ。
「本当は清潔に保つことを考えてコンドームを被せて使うべきなんですが…まぁ、どうでもいいですね今は」
ショップの店長にしてはなかなか杜撰な事を呟いて再びそのバイブを取り上げる。
「綱吉君がお一人で使うときは、コンドームもお付けしますよ」
使わない…!という意味をこめて必死に首を振るが、そんなのはおかまいなしに骸は底の知れない柔和な笑みを浮かべたまま、そのバイブでつうーっと胸元から腹部、陰部に向かってなぞっていく。
そして、仰向けになった綱吉の両足をまとめてぐっと綱吉に向かって折り返すように上げた。
(いた…、!)
少々無理のある体勢に、綱吉がぎゅう、と目を瞑る。
…しかし、いつまでたっても何のアクションも起こらない。
綱吉はおそるおそる薄く目を開けた。
「…っ!」
すると細められた鋭い目が僅かもブレずにこちらを射止めているのに気付いて、思わずビクリと肩を揺らす。
骸はバイブを置いた片手をすぅっと伸ばして、綱吉の髪の毛、こめかみ、頬、おとがいを指先でたどっていく。
「何もかもしてあげようと思ったんですがね、ちょっと気が変わりました」
「…っ、ちょ…っ」
首筋から肩、二の腕、手首をたどり、掌をキュ、とつかんで、その綱吉の手に顔を近付けて軽く目を伏せ口づけた。
「…今度はご自分で、アナルを拡げてごらんなさい」
「っ!…や、やだ、無理だ…!」
怯えたように首を横に振る綱吉に、静かに頷く。
「そうですか、なら仕方ありませんね。では一気にコレを君のひくつくアナルに突っ込んでもいいと」
バッと綱吉が手を振り払うと同時に、バイブを片手に掲げる。
「い、いやだ…!やめろよ、やめてくれ…ぐぅう…ッ!」
綱吉の両足をまとめた片腕に力をこめて、骸がさらにその足を綱吉側に押し付けるようにたおす。
太腿の裏側の筋肉がひきつれるような痛みに、綱吉が顔をゆがめた。
「クフフ…ッ、君先刻から聞き分けがよくないですよ。まぁ…、僕は構いませんけれどね。いっそのこと、こんな初心者用の玩具なんかではなくて、通常規格より大きく作られた玩具を突っ込むのも、楽しそうだ」
「ひぃ……ッ」
今手にしているバイブを、綱吉のアナルの周りをくすぐるように這わせる。
本当に一気に突っ込まれる予感がして、綱吉は恐怖に蒼ざめた。
「や…っ、やる!やるから!!自分で拡げますからぁ!!」
焦って、バイブを持つ骸の手首を制止するように手でつかむと、にい、と骸の口角が上がった。
「…いい子ですね」
「…っ……、」
辛いのか悔しさなのか恐怖なのか、自分でもよくわからない涙を滲ませながら、震える指で綱吉は自分のアナルの縁に指を這わせる。
ひろ、ひろげるなんて。 こんな。 ひとの前で。 なんで。
ためらうように肛門の周りに指を這わせ続ける。なかなか入れられない。が、骸は黙ってじっと見ているだけだ。
はぁ…、と鼓動を落ち着かせるために息を吐いて、つぷ、とようやく、控えめに一本指を少し入れた。
「あ…、はぅ…っ」
ムズッとするような、ゾワッとするような感覚が広がる。
は、は、と息をして、しばらくそのままでいると、フゥとため息が聞こえた。
「僕がさっきなんて言ったか判りますか?」
「ぅ…、」
「拡 げ な さ い、って言ったんです。ただ指を入れろと言ったわけじゃないですよ?」
「う…、うう…、」
真っ赤になった頬に汗を滲ませて、綱吉は更にず、ずず、と指を進めた。
拡げるったって。どうやって。
ぎゅうと目を瞑った。
「わかりました、じゃあお手伝いをしてあげましょうね」
「え…ッ?!ひゃああ!」
言うや否や、綱吉の手首をつかんでズボッと指を一気に引き抜き、綱吉の人差し指と中指を掴んでズブズブ、とねじこむようにアナルに押し入れた。
「い いあああ あ…!」
「まだですよ」
それだけでもいっぱいになったように感じるのに、更に骸はローションを塗った自分の指をもう一本、そのアナルにミチミチとねじ込む。
そして、ぐに、ぐに、とアナルを拡げた。
「い…ぎぃ…ッ!」
「…ああ、綺麗なピンク色だ」
クフ、と笑う声にかぁあっと顔が熱くなる。
「じゃあいきますよ」
「やだ、だめ、まだ……ッ ひぐぅ…ッ!!」
ズルリ、と指を引き抜きざまに先程のバイブをいれ、ねじこんでいく。
「いぐ…ッ、むり、むりィひ…ッ!!」
回しえぐるように入れられて、まとめられていた足の片方が痛みに跳ね、ダンッと下に落ちる。
「おやおや、まだ全部入ってませんよ綱吉君」
ごく軽い調子で言われて、さらにねじこまれる。あとのほうになるにつれてバイブの形状が太くなっているから、限界まで肛門を広げられているような感じになり、綱吉は目を見開いた。
「きひ…ィっ!」
更に骸はバイブのコントローラーのスイッチをスライドさせた。
陰茎に固定されているローターよりも少し制御がきかないタイプなのか、一気にビーーー!と強い音が辺りに響く。
「ぃいい、ひやあああ!」
「ああ…、そういえばこちらも一緒に使えばよかったですね。すみませんでした」
そうして陰茎につながれたローターのスイッチもスライドさせる。
ヴィイイーー!という凶悪な快楽をもたらすモーター刺激が直接陰茎に響いて、綱吉は目の前がチカチカするような錯覚に陥った。両下肢は骸の腕から離れ、好き放題にガクンガクン暴れていて制御がきかない。
骸はギュウ、とアナルバイブをアナルに詰めて片手で押さえ込んだまま、陶然としたように笑ってから綱吉の開いた口に自らの口を重ねた。
「ふぐ…ッ、うぐぅ……ッ!!」
ローターがない部分の竿をめちゃめちゃに擦り上げると、鼻で息をすることも忘れたような綱吉は今にも死にそうな顔で涙を散らす。
その顔に骸はたまらなくゾクゾクと背筋を駆け上がるものを感じながら、強烈な追い上げとともに綱吉の陰茎から精液を搾り出した。
「―――――ッ!!!」


ヒクッ、 ヒクッ、 と死んだ動物のように痙攣する肢体に、

二つのモーター音が重なって彼の粘膜を犯していた。






つぎ |

-Powered by HTML DWARF-