玩具店

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  お待ちしておりました(2)  



ジュ、ジュぷ、ジュプ、ぢゅ、とリズミカルな粘液音が響く。
「ぁ、あぅ、あ、ひんっ、あ゛ッ」
はだけられた胸元は既に汗ばみ、くつろげられた下肢には既に透明な液がだらしなく垂れていた。
開いた口を満足に閉じることができずに、時々思い出したようにゴクリと唾液をのみこむ。が、ダラダラ流れる唾液は止まることがなかった。
頭までグッタリと力を失った上半身は、その背を骸自身に預けている。綱吉の後ろに骸が座り、後ろから陰茎をグチュグチュ扱く。
だらんと放り投げられた両下肢の間で、先走りに濡れた陰茎が震えて上を向いている。
じわんじわん痺れるような甘みが、さっきから綱吉の両手足に波のように押し寄せていた。もう長いことこの状態である。
グチグチグチッと鈴口を抉られたとき、手足の先がぎゅうううと絞られるような甘い痺れが走って、綱吉は目を閉じて息を震わせる。
「ぁああぁあ、ひ イ 、だめェ……ッ!」
その瞬間、すっと手をひかれた。
「な……、え……?」
追いかけようとしていた絶頂がふいに取り上げられ、不安げに後ろを振り向こうとすると、クスリと笑みが耳元で聞こえた。
「ふ…っぅ、」
その吐息に、ブルリと肩を震わせる。
「心配しなくても、ちゃんと達かせてあげますよ」
ヴィーー、という低めのモーター音が響く。
あ、と思った瞬間には、それは陰茎に押し付けられていた。
陰茎の先端に押し込められるようにあてられたその振動に、痛いほどの快感がビリビリと手足の先にきて おかしく
(だめ、だめそれだめ駄目!)
「ヒ ぃいああぁあ ッ、 っひ、っひぃ!」
ビクビクン、と長く躯が跳ねる。
ビュクビュクいわせるように、白濁とした精液が綱吉の腹にとんだ。
合わない焦点のまま、目がぐりんと天を向く。
後ろの自分に頭を押し付けるようにしてビクビク跳ねる綱吉に、骸は欲に濡れた溜め息を漏らした。
「イイですか?綱吉君。気持ちイイ?」
陶然と綱吉の耳元に唇を寄せて囁く。綱吉は口をあけてハッハッと息をしたままがくがく頷いた。痙攣に近い。
「そう…」
うっとりと微笑むと、更に振動を続けるローターをぬるつく陰茎にバンドで巻きつける。
「ぁあぁあああ あ、」
立て続けに送られる快感が再びじわりと綱吉の身体にひろがってくる。
その汗ばむ胸元をいとおしそうに撫でてから、骸は片手を陰茎から後孔へとずらした。
「……ッは、ァ…、」
ぐにぐにとアナルのひだを伸ばすように、周りを指で押し撫でられる感覚に、綱吉は目を伏せた。
ぐに、とアナルへ指が侵入しそうでしない。そのたびに、ヒクヒクと襞がひくついた。
「な…、なに…、だめ…、」
力の入らない手を骸の腕にやるが、何の制止にもならない。
アナル付近がもぞつくような変な感覚に、綱吉はただ口で息をしていた。
そのとき。
「ッひう!!」
つぷん。
ローションと精液にまみれた骸の指が、アナルの中へと入ってきた。
襞のひとつひとつを伸ばすように、中をヌメヌメと蠢く指に、ブルリと背筋が震える。
「ああ……、あつい ですね」
クフ、と小さく笑みを零しながら言われたそれに、カアァっと顔が熱くなって目を閉じた。
「っふぅ…っ、」
恥ずかしい。今すぐその指を抜いてほしい。
「せっかく玩具を使うんですから、ちゃんとほぐしてあげないとね。どう綱吉君?どこか痛いですか?」
髪を撫でると、綱吉はひたすらに頭を左右に振った。
「きも…っ、きもちわるい、やめてそれ…っ」
「ああ、じゃあ大丈夫ですね」
骸は艶然と微笑んだ。
「ッ……!」



「これ、かわいいでしょう?綱吉君」
葡萄の実が一連に連なったようなものを、綱吉の目の前に掲げる。
この前この店に来たときに見たやつだ。黄緑色の、マスカットみたいな。
葉のような部分までついている。
「これはアナルボールって言いましてね、アナルに入れる玩具なんですよ」
触ってごらんなさい、と手渡される。拒もうとしたが、無理矢理持たされた。
「あ……」
ボールは、思いのほか硬くなかった。
「それは手軽に使えますし値段も手ごろで、人気の量産品なんですよ。いかがです?ちゃんと可愛いのを持ってきたんですよ」
「い…、いいです、別に」
綱吉は反射的に首を横に振っていた。
「ああ、綱吉君はもっと本格的なのをお好みだと」
「ちが……っ」
「どちらにせよ、どれも試してもらいますけどね。嬉しいでしょう?こんなサービス」
「こんなの……っ、ひぃいいッ!」
こんなのサービスなんかじゃない、と抗議しようとしたが、突然ぎゅううと陰茎を握りこまれてヒュウ、と吸い込んだ息が止まった。
ひっ、ひっ、と喘息の人のように息を吐けないでいる綱吉の頭に顔を寄せる。
「気に入ったのがあったら、いつでも買い取って頂いていいんですよ。そうそう、今日はアナル用に温感ローションも用意しましたから。存分に楽しんでくださいね?」
生理的に滲んだ涙を流しながら、綱吉は白痴のようにふるふると首を横に振った。



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