触手えろ  




いつぞやBossに献上したお話を、コソーリサルベージ
裏タイトルは、「春の変態とたのしいうみの仲間たち」

かんたん設定 研究者→骸 被験者→綱吉


薄暗い研究室の一室で、目を機械のゴーグルで覆われた綱吉が、冷たい椅子をガタつかせながら幾度となく痙攣していた。
喉から出される空気は掠れた音を出し、椅子のアームレストに固定された腕には、ベルトによる紅い痕。
服など纏っていないその肢体の乗った椅子を、わずかにリクライニングさせてから、ゴーグルからつながる機器を弄って骸は鬱蒼と微笑んだ。
「…どうですか綱吉君。僕の取っておきの試作品は。とてもいい夢が見れているでしょう?」
機器の一部を操作された瞬間、ビクンと綱吉の体が張った。
「ア…ッ、ひぃイイ……!!」
ドピュピュッ、と紅く張り詰めた陰茎から吐き出された白濁の下では、既に液だまりができていた。
「ああ…、まだ出ますね」
頷いた骸が視線を滑らせた先にはモニターが設置されており、研究室にいる綱吉の頭にも設置されている機器からのびるコードが、ものものしく接続されている。
そのモニターには、半狂乱で逃げ惑う綱吉の姿が映し出されていた。


(以下、モニター内)


「もッ、もうやだァアア!!!」
地面に蛙のように転がったまま綱吉がもがくと、ナマコのような大きな芋虫のような粘液質に富んだ生物に、ビチャッと腕や脚があたって粘液が飛び散った。
アナルからはウゾウゾと蠢く蛇のようなものが出入りし、必死に顔を背ける綱吉の口腔には別のナマコのようなものが侵入しようとしていた。
その綱吉から少し離れたところに、ピシリと着込んだ服の上に白衣をまとった骸が口元に指をあてて立って、笑っている。
「クフフ…綱吉君、嘘はいけませんよ。君さっきあんなにヒャンヒャン喘いで楽しんでたじゃないですか。息がとまるほどの快楽が、もっと欲しいでしょう?」
「ぉ…、ぐぅ…ッ」
口腔に生臭いナマコが侵入してきて、ろくに返事どころか息もできない綱吉は、目尻から生理的な涙を流してまともに骸を見ることができない。
その綱吉にゆっくり近づいて、生物が蠢くなかに容赦なく膝を落として骸は綱吉の耳元に顔を近づけた。
「畜生にも満たぬ生物にグチャグチャにされている君を見るのがどんなに興奮するか判りますか、綱吉君」
ニイ、と口角を上げて綱吉の胸、腹、とヒチャリと掌を撫で下ろしていって、綱吉のアナルに未だ頭部を突っ込ませている蛇をズルリと勢いよく引き抜いた。
「あが…ッ、ふゥん…ッ!」
背筋をぞろりと駆け上がるような感覚に綱吉が目を細める間もなく、再び蛇が、今度は尾の方からぐじゅうう、と無理矢理アナルに突っ込まれて、見開いた綱吉の目から涙が溢れ出る。
同時に、綱吉の口の中いっぱいに侵入しようとしているナマコを骸が無造作にあたりに放ると、べちゃっと何かが潰れたような音が響いた。
「どれもこれも、初めての体験ですねぇ?じゃあこんなのはどうですか…」
恐怖にひきつった顔を必死に左右に振る綱吉に、たまらないというようにくつくつ笑って、ゆっくりゆっくり、蛇を握り締める拳に力を入れていく。それに伴って必死に足掻くように、蛇がビチビチビチと綱吉の中で尾をやたらめったら動かして、頭のおかしくなるような感覚に綱吉は支配された。
「あ、グ…ッ、ヒャァアア!!!や、やめッ、動…ッ!!」
腸壁をめちゃくちゃにうねって叩きつけられる感覚に、綱吉は顔をひどくゆがめた。
狂ったように頭を左右に振って逃げようともがくが、ただグチャ、グチャと下敷きになっている生物が潰れるだけである。
「クは…ッ、いいですよ、もっと喚け!僕の手で!君は!おかしくなってしまえばいい!!」
ギリギリ、と蛇を握る骸の手に力が更にこめられて、だんだん中の蛇の動きが緩慢になってきた。
「あ……、ああ…っ、」
な なかで  しんで
体内で絶命しつつある蛇の感覚をリアルに感じて、綱吉が茫然と目を見開く。
「ぬ、ぬいて…抜いてェエ…っ、」
口を歪めて懇願する綱吉に吐息だけで笑うと、骸は蛇から手を離した。
綱吉の後孔がヒクつくのにあわせて、ズルリと動かなくなった蛇が体外へ出てくる。
再びパクリと孔のあいたそこへ、ワッと群がるようにグチャグチャした生物が我先にと侵入しようと寄っていく。
「ひィや…ッ!!も、や……ッ!!」
足をバタつかせるが、ズルズルと粘液に邪魔されて踏ん張ることもできない。
ぐにゅり、にるん、と何個かの生物が中に入ってくるのを感じて、綱吉は喉をそらせた。
「かハァ……ッ!!」
イイところにぐねぐねそれが当たって、ゾクゾクするものを感じてたまらず綱吉はぎゅうう、と目を瞑る。
頬とともに赤く染まった目元には、涙がにじんでいた。
「蛇は抜きましたよ。満足でしょう?」
緑とも、赤とも茶色ともつかぬ液体にまみれた綱吉の頬を片手で掴んで、骸は綱吉の口腔に舌をねじこむ。
「はグ…ッ、!!」
「あは…ッ、生臭い」
ひとしきり口腔内を掻き回したあと、骸は顔を離しておもむろに自らの白衣に手をかけた。
「こういうの、結構好きなんじゃないですか?君」
骸が白衣を開くと、中に着ている黒い服だと思われた箇所からズゾゾ、と無数に長いイソギンチャクのようなものが伸びてきて、綱吉は驚きと恐怖に目を見開いた。
「な………ッ!!」
見る間に伸びてきたそのイソギンチャクは、再び勃ちあがりかけている綱吉の陰茎の先に吸い付くと、ズル、ズル、と陰茎をのみこんでいった。
生暖かくぬめったものにのみこまれ、無数のヌゾヌゾ動く突起からもたらされる快楽にたまらず綱吉は腰を跳ねさせる。
「ひゃ ぁああぁあ、あヒィんッ!!」
舌を突き出してガクンガクン跳ねる腰をおさえつけて、骸は綱吉の中でぐちゅりと未だに生物が蠢いているアナルに自らの陰茎をあてがった。
「!!―――だっ、ま…ッ、中に…ッ!!」
何をされるか想像のついた綱吉が、蒼ざめた顔を必死に横に振る。
「さぞかし滑りがいいでしょうね」
片頬を酷薄にゆるめて、骸は腰を一気に進めた。
「イ゛ッ―――!!」
ぐぷっ、と粘液が圧力によって後孔から漏れでた奥で、ブチブチ、ぐぢゅうう、と何かが力なく弾ける音がした。
グチュうッ、じゅプ…ッ!と、ゆるく腰を回すように突きながら、骸は陶然とした表情を浮かべ、長く息を吐いた。
「ああ……っ、っは、気持ち良い…。ほら…、もっと締めれるでしょう」
骸が前立腺のほうを突きあげたと同時に、綱吉の陰茎をのみこんでいるイソギンチャクの中にある無数の突起が、ウネウネと尿道口に侵入しようとする。
先走りを走らせている敏感な先端を拡げるようにグチュグチュ刺激されて、ダイレクトに心臓につたわって止まるような快感と背筋を走る痛みでおかしくなりそうになって、綱吉はガクンと首をそらせて白目を剥いた。
「ひぎぃア…ッ、あハァアッ!!」
掠れた声が甲高く裏返り、刺激にたえられずぎゅうう、と下敷きにしている生物を握り締める。その圧力によってぶぢい、と中のものを垂れ流して生物が動かなくなり、その感覚に蒼ざめて綱吉は自らの手を掲げ見た。
「あ…っ、あああ…ッ!!!」
ショックを受けたように目を見開く綱吉を見て昏い笑みを浮かべると、骸は締め付けの強くなった根元に軽く目を閉じて息を吐いた。
「クふ…ッ、どうですか綱吉君、死にそう?声は聞こえてますか?――まぁどっちでも、いいんですけど、ねッ!」
ぬぢゅっ!、ごぷっ、ずぢゅうう、と、腰をおさえつけて大きなグラインドを繰り返す。
熱く内壁をいっぱいに擦り上げられる感覚に、綱吉は本当に意識が飛びそうだった。自分が性器だけの存在になったような錯覚さえ覚える。
先程から閉じる事のできない口の端からは、粘液とも唾液ともつかぬ液体がだらりと流れている。
「ア゛ッア゛ッあ゛ッ、」
途中から速くなったストロークに揺らされるままに綱吉は声をあげる。
容赦なく前立腺を擦り上げてガツガツ突きあげながら、骸は背を反らせて息を漏らした。 
細めた目をちら、と下の綱吉に向けて、ゆるく口の端を上げる。
「いとしいですよ、君」
呟くと、綱吉の陰茎をおおっているイソギンチャクに手を伸ばし、陰茎ごと鷲掴みにした。
するとイソギンチャク内の突起が暴れまわるように綱吉の陰茎をかきむしり、綱吉は大きく腰を浮かせた。
「あ゛ひッ ィイイ―――ッ!!!」
とろお、と陰茎をのみこむイソギンチャクの口の端から白い液がつたい落ちてきた。
綱吉が腰を上げて達った瞬間、より深くなった結合とキュウウ、と締め付けられる感覚で、息をつめて骸は柳眉を寄せる。
「ッ―――、」
ごぽぉっ、と熱い流れが腸内で逆流して綱吉のアナルから垂れ落ちた。
「ア゛…あぁ……ッ、」
下肢もなにもかもを得体の知れぬ液にまみれさせて、ひく、ひくひくっ、と綱吉は身体を痙攣させる。
虚空しか映していないその茫然自失の顔を両手で包み込んで、うっとりとした表情で骸は顔を寄せた。
「ああ…っ、いい顔をしている。あつい。君のなか、とてもあつい。生きている君のなかに生きている僕が侵入<はい>って、まるでともに死んだように。ああ。…もっと狂おしいほどに、死にましょうよ」
リズムをつけるように再び、腰を揺らす。
「む…っ、ろ、さ…、」
一瞬光の戻った瞳で、かすかな声で呟いたが、再び綱吉は瞠目して脳髄の焼き切れそうな快感に歯をくいしばった。
涙にぼやける視界のなか腕を伸ばそうとしたけれど、全てを持っていくような激しい抽挿に腕が宙を踊っただけだった。



「ア゛―― ッ…、!!」
ゴーグルや機器をつけたまま、固定された椅子の上でガタンガタン跳ねる綱吉の髪を梳いて、その口を塞ぐように骸は唇を落とした。
綱吉の肩から腕をとおって掌を滑らせて、固定されている綱吉の手を握る。
「もっと。呼んで。僕の名前を。もっと僕の事だけを考えて」
いっそ切ないほどの眼差しを向けて呟かれた言葉は、暗い研究室の闇にとぷりと落ちて滲んでいった。



<終>

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