(災害時の医療者救助訓練)
Dr.:綱吉
患者役:骸
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綱吉「だいじょうぶですかー! お名前言えますかー!」
骸「さ…、沢田…、骸……です…(ガクッ)」
綱吉「意識が混濁している、はやく病院へ!」
*********
骸「どどどどうしましょう綱吉君!今日って13日の金曜日ですよ!!」
綱吉「いや土曜日だよ」..No.128
『明日の残像』関連突発短文 ..No.127
『明日の残像』 関連文
※これは死を扱った、このサイトの話である『明日の残像』に関連する短い脳内雰囲気文ですので、苦手な方にはお勧めできません、すみません
高速スクロールで飛ばすとか、高速視線移動で飛ばすとか、してみてください
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季節は鮮やかにめぐり、ついこの間風があたたかくなったかと思ったらもう日差しが初夏の熱を帯びていた。
ひとつひとつの季節と世界を踏みしめながら、綱吉は生きていた。
一つもおろそかに漏らさないように、丁寧に丁寧に拾い上げながら。
まるで、それが天命だとでもいうように。
だって骸さんが生きていたら、多分そうやって生きていた。
(…だから、俺は。
…俺が、骸さんのかわりに色んなものを見て、感じて、触れるんだ)
自分はひとりで生きているのではないと。
いつしか綱吉は、そう思うようになっていた。
だってそうしないと、本当に彼に会ったときに、いろんな事を伝えてあげられない。
会ったらまず一番に、彼が喜ぶことをしたい。
彼が決まって幸せそうに目を細めるのは、綱吉が綱吉の思うことや見たことや感じたことや、色んなことを鮮やかに彼に話しているときだった。
たいせつなものは。
どうしていつまでも、たいせつなままなんだろう。
色褪せるかと思われた彼の存在も、想いも、
時と共に風化するかと思われたものは、しかし、ぼけはしなかった。
その時綱吉は初めて気付いた。
本当にたいせつだったものは、他の何が色あせたり変化していっても、たいせつなままで残っているのだと。
自分にたいして必要のない情報は、大抵記憶に残らない。
でもそれは、辛い思い出が記憶に残らない、というのとは少し違って。
辛い思い出も幸せな思い出も、自分にとって必要であったり大切であるから忘れない、忘れられないんじゃないかと思うようになっていた。
だから今自分が覚えている全てのことは、いずれも大切なことに変わりはないのだと、忘れなくてもよいのだと、ふと思っては軽く拳を握る。
そのたくさんの「たいせつなこと」を両手に抱えて彼の前に立った時、彼はどんな顔をするだろうか。
「君、それ、ずっと持ってたんですか…、」と、少し力無く、けれど薄く泣きそうな顔をして、呟くような気がする。
嬉しい、とか、そういうのだけじゃなくて、きっと彼を困らせるんだろうなと予想できる綱吉は、それでも少しそれが楽しみだったりして、フと笑みを漏らすのだ。
そのために、綱吉は日々色んなすばらしいものや想いを拾い集めては、だいじに心の奥に仕舞う。
それはそのまま、綱吉自身の人生を、とても優しく鮮やかに彩っていた。
たしかに綱吉は、ひとりではなくふたりで生きていた。
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かんたん設定
つな 留年して高校一年生になる
骸、 高校一年生になる
(一部抜粋)
(小学生頃のときは、少なくとも普通に優等生だった気がするんだよな…)
薄明かりの中で、ぼんやりと綱吉は天井を見つめる。
物腰のやわらかな、いい子だったような気がする。いつも一緒に小学校に通っていた。
けれど別々の中学になってからは、骸は荒れ放題だったようで。友人から、骸がその中学の上級生を公開私刑して事実上のその学校のボスになっただとか、実は不良しかいないガラの悪い中学だったとか、骸がその中学に入ってから行方不明になる生徒が増えただとか、そういった不穏な事を信じられない気持ちで綱吉は伝え聞いた。いやでも耳に入ってきたのだ。
最初は信じられなかった。家では、異様に静かになったしろくに話してもくれなくなったけど、そういった暴力を振るった事はなかったから。
だが確かに、それですべて納得のいくこともあった。
酸化して黒ずんだ血がついた制服、夜遅い帰宅、少なくなった口数、動かなくなった表情、むしろイラつかれている表情?
会話の話題が無いのは、相手が話せるべき話題を撥ねているからだ。何を言わなくてもキュッと手を握ってくれたような、全てが伝わっていたような遠い昔のことを思い出し、今との違いに言葉をなくす。
なかなか寝付けず、トイレに向かうために階下に降りた綱吉は、ぎくりと身をこわばらせた。
「…む、骸」
帰ってたんだな、という言葉は、あまりに白々しすぎて喉の奥から外には出なかった。
シャワーを浴びて、下着の上にはタオルを頭にひっかけただけの弟は、特に何の感情も伺えない表情で綱吉を見つめていた。
「…どうぞ」
廊下の道を譲られる。
本当は自分よりも勉強のできる弟。何でもソツなくこなせる弟。それなのにガラの悪い高校になぜか入った弟。最悪なことに、浪人までしたのに自分が入れたのは、奇しくも弟と同じ高校だった。
それでも自分は彼の兄で。
なんだか情けないような理不尽なような気持ちになり、くしゃ、と顔をゆがませる。
「…ありがと」
なにが、兄だ、と、思う。
とてもではないが何故か骸を直視できなくて、目を伏せて綱吉は目の前を通り過ぎようとした。
だがその瞬間に、腕を掴まれた。
「…っな、」
同じように顔を伏せていた骸の雰囲気が物騒で、怒りを孕んでいるようで怖くて、綱吉は思わず肩を震わせる。
「兄さん」
伏せていた顔がゆっくり上げられた瞬間に、綱吉は小さく息をのんだ。
なぜって、
「楽しみですよ、僕。明日から一緒に学校、行きましょうね?」
本当に何年かぶりに、表情というものを向けられたような気がしたのに。
たしかに骸は有無を言わせず笑っているのに、全く笑っているように見えなかったから。
その表情を、なんと呼んでいいのか、何が自分に向けられているのか、自分にはわからなかったから。
本当は中学のときも、ろくに朝からちゃんと登校していなかったくせに、よく言う、なんて言えなかった。
「…ああ、」
自分の声が震えていることが相手に伝わってないか、心配だった。
何故だかわからないが、怖がっていると悟られてはいけないような気がした。
その返事に骸は、吐息だけで微笑ってから手を離す。
(――一緒に登校?何かの間違いだろ…)
むしろ自分と距離をとろうとしていたような、避けていたような骸が、一体どういった風の吹きまわしだろう。
楽しみって、一体何が? 出来が悪くて情けなくも一緒の学年になってしまった兄が?
出席番号も前後だろうから、席も前後の可能性が高い。
これからの学校生活を考えて、とてつもなく重たい気持ちになって、部屋に戻ってから綱吉はため息を吐いた。
ざわ、と辺りがざわつくのを肌で感じた。
「あれ黒曜の骸じゃね?」
「げ…っ、この高校に来てたんか」
「隣にいるの何?」
「パシリだろ」
「あー」
高校の登校初日、何とも居心地の悪い思いを抱きながら綱吉は骸の隣を歩いていた。
最初は後ろのほうを歩いていたのだが、「隣を歩きなさい」とグイッと腕をひかれて放してくれないものだから、「ちゃんと隣歩くから」と言い張って腕を放してもらった。
隣を歩けば、どうしたって他人のフリはできない。
その結果が、コレである。
まるでモデルのようにバランスのとれた肢体に、ぱっと目を集める身長の高さ、どこか美しいとも思えるほどの立ち居振る舞い、怜悧ともとれるほどに整ったつくりの顔、意外と伸びのいいアルトボイス、有無をいわせない雰囲気、独特の存在感を持つ骸は、ひどく目立っていた。
きわめつけに骸は、この辺りでは色々とよくない意味でも名を馳せているため、畏怖や脅威、興味と恐怖の入り混じった視線を一身に浴びている。
この中の一体何人が、骸と自分が兄弟だと言って信じてもらえるだろうか。いや、信じてもらわなくても良い。むしろ、知らないでいてほしい。
「なあ」
誰にも聞かれないように、呟くように骸に話しかける。
何ですか、とでも言うようにちらりと寄越された視線すら、向けないでもいいと思う自分は、随分自尊心が低下したものだと思う。
「学校ではさ、兄弟とか、言わなくてもいいと思うんだ」
どうしようもなく出来の悪い自分が、骸の兄であると知られたくない。骸にも悪い気がした。
でもそれより何より、比べられたくない。
フと眉をひそめたが、かまわず骸は前を向きなおした。
「…貴方がそうしたいなら、別にそれでもいいですが」
ですが、と声を硬くして更に付け加える。
「僕の目の届く範囲に。登校から下校までずっと。離れて勝手にどうこうしないと約束してくれますか」
綱吉はキュッと下唇を噛んだ。別に、監視なんかしなくても、骸に迷惑などかけないのに。自分をずっと監視するなんて、骸のほうが大変そうである。
何だか家族なのに信用してもらえていない気がして、綱吉は言葉を詰まらせた。どれだけみじめな思いをすればいいんだろう。
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○ケモン的むくつな(ちゃんと見たことないけど) ..No.122
だれかこんな話を書いて私の胸をワクワクさせてください
綱吉→そこらへんの少年だが、とあるきっかけからサファイアに宿る骸のマスターとなって使役し、同じような宝石の力を使って悪事を行おうとする人たちと戦わなければいけなくなった。
骸→綱吉につく宝石。サファイアに宿る(宝石の別称「インディゴ」)。昔大罪を犯して宝石に魂を封印された。
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「骸!!」
ボウッと綱吉の額に橙色の炎がともる。
半ば焦ったような引け腰のような綱吉の呼び声に、呼応するように手の内にあったインディゴブルーのサファイアが熱と光を持った。
辺りを覆うような霧とともに現れたのは、長身の痩躯を持った青年。
とりあえず出てきてくれたことにほっとした綱吉は、再びばっと前に立ちふさがる敵に向き合った。
「呼ぶの遅くなってごめん、あの人たちどうにかしてくれると助かるんだけど…」
その言葉に、骸は形のととのった唇をにい、とゆっくり吊り上げた。
「僕に命令するとは君も立派になったものですねぇ?呪いの宝石と言われた僕を使うのは、少々高くつきますよ」
「わ…っ、わかってるよ…!」
「結構」
にやりと頬をゆるめてから、クン、と体勢を低くして三叉槍を構える。一つにまとめた深い藍色の髪の尾が、漆黒の彼のジャケットを追いかけるように叩いた。
瞬間、ヴン…、と四の一文字が右目に浮かび、地を蹴るように身が飛び出していた。
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「えっ、なに、骸チョコレートが好きなの?」
若干ぶっと吹き出しながら綱吉はバッグの中身に目をやった。その中にひそんでいる宝石が、ほのかに明るく光って綱吉の脳内に語りかける。
『そうですよ。何か?』
綱吉が笑っていることは伝わってしまっているようだ。声が不機嫌である。
「いや、ごめんごめん。なんかほら、大人なイメージがあったからさ、ていうか実際大人じゃん?」
実際には何百年も封印され続けた宝石である。大人という域は超越しているが、外見は確かに綱吉から見れば「大人」のそれである。
『君といると若返ったような気分になります』
それはもう、何百年も。
綱吉は骸のことを、そこらへんの兄ちゃんという程度にしか表現しないので実際錯覚しそうになる。
「いやまぁだからさ、なんか子供の食べ物みたいなチョコレートとかって、興味ないのかと思ってた。俺も好きだけどさ」
あはは、と笑う綱吉に、サファイアは飛び跳ねそうな勢いで反論する。
『何を言うんですか!!チョコレートは単なる子供の嗜好品などではなく、高貴な大人の愉しみの一つです!かつては一部の貴族しか頂くのを許されない…』
「わ、わかった!わかったって、お前がチョコ好きなのはよくわかったから…」
そこまでチョコに熱くなれるもんかなー、と呟きながら、綱吉は帰路についた。
『…何ですかこれは』
部屋にある、安物の照明を受けても美しく煌くサファイアの前に、お供えのようにチョコレートが一粒置いてある。
「いや、好きだって言ってたからさ」
にこにこと笑う綱吉を前に、その宝石は何がしかの言葉を何度ものみこんだような気配がした。
『…、…気持ちはありがたいですが、まるでこれでは僕が位牌か墓石のようなんですが』
「あっ、そっか!やっぱチョコレートのエキスだけもらうとか、そういうのってできないんだ!」
『…一応僕、ちゃんと肉体はどこかに封印されていて現存している筈なので、まだ仏でも妖怪でもないんですが』
確かにもうここまでくると妖怪のようではある。が、ここまではっきり死んだ人扱いされては。
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強大なもの(骸)を使役している小さきもの(綱吉)というのに、湧き立ち燃えて萌える。
うちにはノートパソコンとデスクトップとあるのだけど、都合上設置してあるデスクトップの場所がいまいち。
かといって、ノートパソコンは電源の接触不良なのか、何の前触れもなくよく電源が落ちる。まさしくサドンデス!
「クフフまさかこんなところで僕の電源が落ちるとは思わないでしょう。ドキドキするでしょう綱吉君?」
「こんなドキドキいらないよ!!」
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全く関係ない突発こねた
綱吉→小児科病棟の患者 4歳さん
骸→綱吉の主治医
「せんせー」
ぱたぱたとスリッパを鳴らして、綱吉が詰所内でパソコンに向かって作業している主治医のもとに駆けてきた。
「あら、ツナ君どうしたの〜?」
かわいらしい闖入者に、ナースたちの明るい声が小さな体にかけられる。
「あのね、せんせーいる?」
「いますよ〜!」
背後で聞こえた声に破顔し、にこぉと骸が椅子から立ち上がって綱吉のもとへ歩いていく。
「あ、せんせー!」
ぬいぐるみを手にしている綱吉を、ぬいぐるみごと抱き上げる。
「どうしました?ここまで来てくれるなんて珍しいですね」
にこにこする骸の顔の前に、ずいっと綱吉はぬいぐるみを向ける。
「でんちがね、無くなったの。でんちください」
「いいですよぉ〜、電池どこにありましたかね〜」
普段は満面の笑みを見せない骸に、若干ナースたちが言葉を無くす。
「うわ…、」
「すごいですね…」
綱吉を抱っこしたままごそごそと電池を探す骸に、「どうぞ」と言ってナースの一人がさっと電池を手渡した。
「ありがとうございます。さあ綱吉君、電池いれましょうか〜」
「うん、」
ぬいぐるみを手にして椅子に座っても、綱吉を膝に乗せたまま離さない。
何やら、多少綱吉が居心地悪そうにしているがそんなのは伝わらない。
「はい、どうぞ」
復活したぬいぐるみを手にして、ぱっと綱吉は骸の膝から飛び降りた。
「あっ、ありがとせんせー!」
そうしてたたたっ、と小さな足音を響かせて綱吉は詰所から出て行った。
「あっ、もう行っちゃうんですか」
少々残念そうな骸は、軽く肩を落として再び仕事に戻る。
一連のやりとりを見ていたナース達は、少し離れた場所で仕事をするフリをしながらこそこそ喋っていた。
「あれ、男の子だからいいけど女の子相手だったらリアルにやらしくないですか」
「だって六道先生、普段あんなべたべた患者さんにしたりしないよね。笑顔があまりに満面すぎる」
「そうですよね、普段あんなんじゃないですよね。そりゃ優しいっちゃ優しいけど、あんなまとわりつくような感じじゃないですもんね。まずあんなふうに抱っことか、滅多にしないし」
「ツナ君、『せんせー優しいけど、なんか赤ちゃんみたいにぼくの事言ったりするんだよ。へんなの』って前言ってたよ」
ぶっと一人のナースが吹き出す。
「伝わってる伝わってる!なんか伝わってる!」
「絶対六道先生、主治医って言ってもツナ君のこと大好きだよね。ツナ君かわいいからなぁ〜」
「そうそう、こないだ先生、ツナ君がいつもより元気なくて、おしっこがぜんぜん出てないんで診て下さいって言ったら、それだけで『何ですって、綱吉君が?それはいけませんね、すぐ処置室にお連れして』って言ったんですよ。ほかのちっちゃな子には”お連れして”なんて使わずに”連れてきてください”とかなのに、もうおかしくて」
「”お連れして”!!ツナ君どんだけVIP待遇なんだろ、先生!」
「ですよねー!」
それからしばらく30分ほどは、六道先生とツナ君の話でナース達の話は尽きることがなかった。
********
実際に、似たようなことがあるっていうのが面白くて仕方ないですね。
そのうち六道先生がツナ君を抱っこしてる写真が、詰所の机のどこかに飾られるといい。そんでもって「この写真ほんとありえないですよねー!」とかってナース達にひそかに言われてるといい(笑)
〜もしも二人が貧乏家族とか夫婦とかだったら〜
「綱吉君、チーズにしょうゆかけると結構ご飯がすすみますよ!」
「…分かってはいるけど、ほんと、何かちょっと空しいよね…」
「今は辛抱の時期です。いずれ大金が手に入りますからちょっと待ってて下さいね」
「…う うん……」
その大金はいったいどのルートでとか、どうやってとか、
夫の仕事が、実はこわくて何なのか未だにちょっと聞けない綱吉だった。
〜友達の家に書き逃げしてきた、骸さんの置手紙〜(うろ覚え)
『綱吉君へ
君の洗濯物はしておきましたよ。
冷蔵庫にプリンが入ってますが、僕のですから手を出さないように。どうしてもというのであればパンツ一枚で手を打ちます。
あと、パンツ下さい』
綱吉「どんだけパンツ欲しいんだよ!!」
てう、てう、てう、
足音が聞こえて骸ははっとそちらを見た。
あの不揃いな音量の足音は、4歳になりたての綱吉のものである。
「むく兄しゃー!!」
骸兄ちゃんと呼べきれていない言葉で、いっぱいに声をあげて呼びながらリビングを歩いている。
さっきまでご機嫌に一人で遊んでたのに、どうしたことだろう。
ちょっと用事があって、隣接する和室で作業していた骸は腰を上げた。
「は――」
しかし返事をしかけて、やめる。
このままただ出て行くのも何だかつまらない。
軽く湧き上がってきたいたずら心のままに、骸は和室の引き戸付近で息をひそめた。
「兄しゃあ!」
声が近づいてくる。やばい、出て行きたい。が、もうしばらく我慢する。
十分に足音が近づいてきたとき、
ガララララ「わっ!!!」
「うぎゃあああああ!!!」
突如として轟音と共に扉を開けて出てきた兄に、綱吉はマジ悲鳴をあげてどたぁっとその場に転び、どたばたともがいて必死に立ち上がってあっちに走って逃げてしまった。
そのマジビビリ様に軽くショックを受けている間もなく、骸の耳にさらなるハプニング音が届いた。
ごん!「ぎゃあああん!!!」
何かにぶつかったような音と火のついたような泣き声が炸裂し、骸はあせって部屋から飛び出す。
行ってみると、ダイニングテーブルの四つ脚付近にぺたんと座り込んでうぉわぁあん、と泣き続ける綱吉がいた。
「綱吉君!」
どうやら走って逃げた拍子におでこをぶつけたらしい。ちょっと赤くなっている。
「おでこ打ったんですか?ちょっと見せてごらんなさい」
しかし綱吉は、傍にしゃがんでおでこを見ようとする骸に更に「ぎゃああ!!」と泣き喚くトーンを上げる。
「………、」
そ そんなに僕、化け物か何かみたいでしたか と、ショックを受けながら綱吉のおでこをさすった。
しばらくいたずらは自粛しよう、
そう誓った12の秋だった。
******
<もしこれが、高校生同学年の友達だったら>
骸はパクンと携帯を閉じた。
皆帰った放課後の教室で、先生に呼び出された綱吉を待ってはや30分。
そろそろ職員室に奇襲でもかけにいこうかと思っていた矢先、携帯の着信ランプがついた。
どうやらもう用事は終わったらしい。
こちらに向かってくる綱吉を想定して、骸は自らの鞄と綱吉の鞄を持って教室から出た。
「さて…、どうしましょうかね」
30分も待ったからカップラーメンが10個もできましたよとか、遅いですよ僕をどれだけ待たせるんですかとか、何か意味のわからん繰言のひとつでも言ってみたいものである。
別に待つのは構わない。人と沸点は多少ポイントが違うらしいが、短気なタチではない。
ただ、待った身として多少の嫌味や繰言を言った時の綱吉の反応が欲しいだけだ。
色々考えながら階段付近まで歩いてくると、パタパタと階段を上がってくる音がした。ちらりと覗くと、踊り場より下の階段にちらっと彼の頭が見える。
骸は自分の身を廊下の壁にひっこめた。
決めた。彼が階段を上がりしなに廊下から飛び出て驚かせよう。
鞄を後ろにおいて待つ。
綱吉が階段を上がりきった音を確認してから、骸は突如として廊下から飛び出した。
「わっ」「うわあああ!!!」
顔面蒼白にしてものっそい逃げる綱吉に、ふわあと骸の顔が綻んだ。
「うわ、うわぁ、綱吉君…、」
「何だよお前かよ驚かせんなよー!!」
泣きそうな顔で叫ぶ綱吉に、ますます笑みが深まる。
「クフフ、そんなに驚いてくれるとは思いませんでした。楽しいですね、コレ!」
「たっ、楽しくねぇ、楽しくねえ!」
味をしめてしまった骸は、どうやって綱吉をマジビビリさせようかという日常生活の楽しみをひとつ増やして、ごきげんだった。
*******
4歳綱吉にマジビビリさせたとき、更におもらしもさせようと思ったけど、
骸おにいちゃんが何かに目覚めてしまいそうなのでやめた
書きまつがい ..No.105
「人魚と姫」の誤字脱字チェックをしてたら、へんなところがいっぱいあった。
フォークの使い方が判らなくて、骸を刺すような仕草をしてみせるツナに、骸が、
「そうですね、たしかに人を攻撃するような形をしていますが、今はそうやって使うのではないのですよ」
いやいや、「今は」って、
じゃあどういうタイミングだったらフォークで人を攻撃できるんですか
穏やかな筈の姫、骸さんの凶暴性が垣間見えてしまった
あと、この食事で最初はツナが魚食べてたけど、
これじゃ共食いだと思って鶏肉にしました。
でもよく考えたら魚が鶏肉を食らうという、さらにすごい感じになった。下克上。
イベントで、自分と綱吉の愛の軌跡本(100%妄想)を出して、(無理やりリボーンにイベント会場に連れてこられた)綱吉に本気でヒかれるオタク骸さん
「ギャッ、何これ!!俺?!何これなんかR指定ついてんだけどーー!!」
「アッ…、綱吉君!どうしようはずかしい!!」
「恥ずかしいのはこっちだ!!!ちょ、何売ってんだお前ーー!!」
「あっ、ダメですそれはサンプル本だから、買うのはこっちの綺麗なほうにしてください!」
「買 わ ね え よ !!!」
おもっくそ知人を同人誌のネタに使っている、妄想100%なオタク骸さんと一般人綱吉の異文化ラブ交流(ラブに発展するか甚だ謎である)ってのも楽しいと思うんだ
****もしも骸さんがナースでツナが患者だったら
「はい綱吉君、じゃあお熱ピッピしますね〜v」
「すみません看護婦さん、大人なので普通にお熱測りますね、で大丈夫です」
「ああ、綱吉君手が冷たいですねぇ…、緊張してるんですか?大丈夫、痛いことはしないですよ」
「大丈夫なんで手を撫で回さなくてもいいです」
「そんな照れないで。大丈夫、痛くない…痛くない…」
「ちょッ、この看護婦さんハァハァしてるんですけどー!!だ、だれかーー!!かんごふさーん!!せんせーー!!」
ただ検温やあいさつに行くだけなのに、一時間たっても患者の部屋から詰所に帰ってこない(決して、"帰ってこれない"ではない)ナース
「痛いことしないよ、痛いことじゃないよ」はリアルによく使う言葉です
でも本当に痛い処置をするときは、「痛くない」とはいわないです
「ああ綱吉君…、ちょっと痛いですけどがんばりましょうかハァハァ」
「たすけてーー!!!」
*****もしもツナがナースで、骸さんが患者だったら
「じゃあちょっとお熱測りますね」
「ええ、どうぞ」
「脈も失礼します」
手首の動脈に触れて脈を測る綱吉の手を、骸がそっと握る。
脈を測りおわっても手を離そうとしない骸に、綱吉がちょっと笑った。
「すみません、あの、…手を」
離そうとしても、強い力で離れない。
体温計が鳴ったから取って体温を確認したいのだが、それもできない。
「まあまあ看護師さん、ちょっとくらいお話してってくださいよ。僕退屈で退屈で」
「はあ…、」
こちらとしてはあと何部屋か検温して回らねばならないのだが、まぁちょっとだけなら…、と綱吉はすすめられた椅子に座る。
「…ちょっと。沢田は何やってるの」
一時間たっても詰所に戻ってこない綱吉に、中堅ナースの雲雀はイラついたようにデスクをトントンと叩いていた。
「どうしたんでしょうね…、また六道さんのところでつかまってるんでしょうか」
バジルが心配そうに時計を見る。夜勤のときなど特に綱吉は、眠れないという六道につきあって勤務時間をいつも拘束されていた。
「ピッチでも鳴らして連れ戻してきて。ちょっと叱ってやらないとね」
骸に長い時間拘束されて詰所に戻れない新人綱吉(話が切れない)、心配する2年目バジル(やさしい先輩)、綱吉と一緒の勤務でそばにおけると思ったのに、居なくてイライラする雲雀(5−6年目中堅ナースだけどベテランみたいな迫力がある厳しい先輩)
なんてな!なんてな!!
えびを異常に崇拝する骸さん ..No.91
「こっ…、こんなに軽々しくえびを使って!!!冷凍食品ひとつひとつに、それを使っておけばいいとでもいうかのようにえびを使うなんて許せません!!なんですかこれは!コレにもコレにも入ってるじゃないですか!!」
「そっ、そんなに怒ることないだろ大丈夫骸さん?!」
「グラタンにもえび、クリームコロッケにもえび、シュウマイにもえび、揚げ物にもえび…、えびを使ってれば安泰ときたもんだ!!許し難い!」
「わ わかったから落ち着け!」
それ以前に骸さんは冷凍食品食べそうに無い(→あえて自分は食べない上で文句を言っているのなら相当である)
(つたない想い)
文字だけれど、文字で色を、景色を、場を、音を、ものごとを、表したいと思いながら書いてます。それも、文字を追っているのに文字を追っていないような感覚にできたらいいのにと思っています。
私が見せたいのは文字じゃないです。見えるものです。感じるものです。浮かぶものです。
そんな何かが届きますように。あんま頭を使わないように、がんばります。
****
骸「合コンですって?綱吉君がいっぱいいる合コンだったら僕は喜んで行くのに…」
綱吉「そんな合コンありません」
****
(↓友人の実体験から発展したプチパラレル妄想)
スパナって、実際居たら酒の席とかで、酔ったりして、骸さんとかに普通に「ウチ マジで沢田イケると思うんだよね」とか言いそうです。
そんでもって骸さんは密かに心の中でブラックリストに加えながら、何の気もないように「ほう」とか「そうですか」「成る程」とかって話を流し聞いてそうです。でも一字一句恐ろしいくらいにきっと覚えてる。
そんなことを素でしそうなくらい、スパナたんはナチュラルにアレですね。
先生は、そういう個性はもっと伸ばせばいいと思うんだ。
初代霧×初代ボスは、
何か雰囲気的にハ○ー○ッターとかに出てても不思議じゃない
「貴方はそのぐらいの服装をしていたほうが、少しは威厳が出ていいんですよ」
「そうか…?このマントの襟、正直窮屈なんだが」
気まぐれな守護者に見立てられた、まだ体に馴染まぬマントの襟を、初代<プリーモ>ことジョットはキュ、と引っ張った。
しかめた眉で襟を凝視する。
霧の守護者はその様子に、ふっと瞳の力を抜くのみである。
「いいじゃないですか、そのうち身体に馴染みますよ」
「別に服装など何でもいいんだがな。そんなにこだわるものか?」
肩をすくめてキィッと皮張りの椅子に腰掛ける。
「こだわるものですよ」
そのジョットの足元に、霧の守護者は軽く膝をついた。
「貴方が他人に嘗められるのは、僕が許せませんから」
軽くマントの裾に敬愛をこめたキスを落とし、弓なりに瞳をしならせる。
やわらかな物腰の中に、絶対の存在感を持って通る"許せない"という言葉。
いちいち気障な仕草を振りまく奴だ。
にこやかに笑いながらどストレートの告白を受けているようなもので、聞いているこっちが恥ずかしくなる。
ジョットは顔を片手で覆った。
「…判った。判ったから」
「クフ、それは上々」
「…お前それ判ってやってるだろう」
窓に視線を逃がすジョットをよそに、何事も無かったかのように霧は立ち上がった。
「さあ。何の事だか僕には。お教え願えますかプリーモ?」
「それこそ御免だよ」
「それは残念」
実は箒に乗ったりしてても不思議じゃない
(せっかくまわしてもらったバトン、途中までしかかけなかったお…)
*********
8 追う立場の探偵と追われる立場の怪盗。探偵は?
綱吉。
やっぱり怪盗→変態な感じに骸さん
っていうイメージがあって、その大変な奴に手をやかされてる探偵綱吉というイメージがあるので。
正直これはどっちがどっちでも楽しそうですが
(普段はダメダメの綱吉が、仕掛人リボーンによってハイパーモードの怪盗になってしまう!(ジキルとハイド的な)
それを変態探偵骸さんがハァハァ追いかけるという構図も楽しそうです)
******
『今夜、あなたのヴァージンを奪いに参ります
怪盗 クローム』
「う…、、うわあぁあああ!!!」
がたがたん、と綱吉は後ずさってこけた。
ボンゴレ探偵社、ビルの一角を借りた小さな事務所の机に、堂々と予告状が置いてあった。
「ヴァ…っ、て、こ、こえぇえええ!!」
確かに巷を一番騒がせているのはこの怪盗クロームで、自分は追わねばならないのだが、
正直言うと関わりあいになりたくない。
探偵をやっているがかなりの勢いでいつも駄目駄目な自分は、もうクロームとかつかまらなくてもいいんじゃね?いや、むしろ警察が普通に捕まえてくれたらラクなのに、
ぐらいにしか思っていなかった。
「…あ、でも、ちょっと待てよ」
この予告状を見たのはおそらく自分が最初で、今事務所には誰もいない。
「……」
綱吉はおもむろに、その予告状をそっと机の中にしまった。
「そうだよ」
周りにこの予告状がバレなければ、自分は捕まえにいかなくてもいいのである。
「うん、これは、無かったことに」
俺珍しく頭いいな、なんて思いながら綱吉は帰り支度をはじめた。
「はーそれにしても、いっそホント盗みやるならこっそりやってくれたらいいのに、予告状なんて出すから俺らが動かなくちゃならなく…」
「そうですよ、そうでもしなければ君は動かないでしょう?」
「?!」
ビクッと振り返ると、そこには、黒ずくめの男が立っていた。
「く…、クローム?!」
何故ここに、と言おうとして、例の予告状を思い出す。
「………!!」
体からざぁっと血の気がひいた。
「え…、ちょ……、マジで?!」
「待ってましたよ、この時を。さあ、君を頂きに参りました」
仮面をつけたその怪盗が、しゅるりと黒い帯を伸ばす。
「残念ですけどちょっと目隠しさせていただきます」
「ぎゃ…、ちょ、ぎゃああああああ!!」
たすけて!たすけておまわりさぁーーーん!!
月夜に探偵の悲鳴と怪盗の愉悦の笑みが木霊した。
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******
11 自分が側にいない時に事故にあい意識不明に。眠り続けているのは?
綱吉。
二人とも看護学生、卒業直前。
視界が一気に消えた世界が、ずっと続いている。
骸は、他の何も見えないかのようにただ座って綱吉を見ていた。
「 」
声もなく名を呟く。
しかし彼の口は、動く気配は無い。
たとえ動いたとしても、気管切開をしているためこの状態では声を出せない。
閉じられた目が、開く事は無い。
ICUの一角で、
綱吉の手を握り続けた手を、骸は動かすこともできず微動だにせずただそこに座っていた。
時が、流れているのか流れていないのか判らない。
ようやく片方の手を動かして綱吉の前髪をフワリと梳いた。
「…こんな事なら、君と一緒にいればよかった」
そうすれば、助ける事が出来たかもしれない。
そうでなくても、事故にだって一緒に遭えた。
一人残るのなら、一緒に眠る方が。
首から下は全麻痺。
意識不明であったが現在は薬剤によって鎮静をかけられ、ずっと眠った状態である。
精密輸液用のシリンジポンプを何台もつなげ、更に電解質補給用の輸液を何本かつなげ、モニタと人工呼吸器に囲まれたこの状態から脱せるのが、いつになるか判らない。
なるべく薬剤の名前は見ないようにした。
どれだけ深刻な状況か判ってしまいそうで、怖くて。
骸は綱吉の胸元に頭を落とした。
「…綱吉君、」
言っても仕方の無い事を、
「…受かってましたよ、国家試験」
呟いた。
彼の声が聞こえるなら、泣いていてもいいから聞きたかった。
*********
王道設定ばとん続き ..No.78
7 小学生を預かることになった専門学生。小学生は?
骸さん。
やたら冷静で利発な小学生に、たじたじな専門学生ツナ。
*****
「はい、ポテトチップスくらいしかないけど…、」
子供ってどんなお菓子をよく食べるっけ、自分がいつも食べてるようなのでいいのかな。
とりあえず袋のポテトチップスをその妙に静かな子供の前に置いて、綱吉は飲み物を取りに後ろを向いた。
すると後ろから声が。
「いいですよ」
「え?」
「気を使って頂かなくて結構です。こういった類のものも食べませんし…」
カササ、と袋ごと向こうへ押しやる。
「あ……、あ そう…」
じゃあ袋あけなきゃよかったな…、などと思いながら菓子をしまう。
「あー…、じゃあ、なんか、ゲームとかでもする?暇だろうし…あんま種類無いけど、何が…」
「いえ、ゲームも特に興味ありません」
「あ…、そうですか…」
何とも絡みにくい小学生である。小学生と話をしているというより、そこらへんの商社に勤める大人とかと話しているような気分になる。
しかしこれでは間が持たない。こういった小学生の相手はどうやってしたらいいのかわからない…かといって放っておくのも。
「ええっと…じゃあ……」
キョロキョロと時間つぶしのものを探し出す綱吉をチラリと見て、その小学生は小さくため息をついた。
「…では、インターネットはできますか」
「?できるけど」
「何これ」
細かい文字と数字の羅列が画面に並ぶ。
何だこれ?とばかりに綱吉が画面を覗き込んだ。
「株取引です」
「か…っ、かぶぅ〜〜?!」
小学生が株取引?!
その子の顔を見ると、先ほどよりは目に輝きが見える。
本当にか。本当にこんなんが楽しいのか。
「結構簡単に稼げるんですよ。クフフ、世の馬鹿どもを出し抜いて利益を得るのは何とも…、」
初めて笑うところを見たが、含みのありすぎる笑いである。
「これでしばらく時間が潰せますから、あなたは遠慮なく好きなことをなさってていいですよ」
「あ…、はい…」
小学生に気を遣われた。
軽く色々とショックを受けながら、綱吉は力なく頷いた。
*********
妄想設定バトン 続き ..No.77
4 新任の先生と入学したばかりの生徒。先生は?
綱吉。
はじめてのクラス担任、うまくやっていけるだろうか、いや何とか無難にやっていきたい、と思っている綱吉の願いを、ことごとくブチ破ってくれる新入生骸。
一見優等生な骸さんも楽しそうですが、ここはやはり青春モノっぽく、そのまんま不良な骸さんで。
*****
「はぁあぁああぁ……」
生徒が怖い。正直、生徒が怖い。
朝、教室に行く前のわずかな時間。綱吉は、職員室の机の上で出席簿を抱き締めるようにして重い重いため息をついた。
あの、手のつけられない新入生、六道骸。
いつも切れるような目でこちらを睨んでくる。勇気を出してちょっと注意をしてみたら、コテンパンに論破される始末。
それならいっそ学校外のところで好き勝手やってくれと思うのだが、今のところ皆勤賞である。
「どうしろってんだよ、あんな生徒…」
おかげで上からはこっちが注意を受けるし、こっちだって好きであんな恐ろしい生徒の担任になったわけではないのに…!
「おはようございまーす…」
幾分力なく教室に入っていく。
何気なく全体に目をやっても、あの六道の目だけはまっすぐ自分に突き刺さってくる。
(こ、こえぇ…いっそ無視してくれたらいいのに)
強すぎる視線に耐え切れず瞼を伏せて、綱吉は出席簿を開いた。
****
とか、
外を歩いていてどっかの不良に絡まれたツナ先生とかで、
****
「や、やめてくださ…!!」
「金持ってんだろーが。出ちてくだちゃぁーーい、お金ありまちゅよね〜?
…出せやゴルァ!!」
「ぐふ…ッ!!」
肋骨の下、やわらかい臓器のところを抉るように膝蹴りを入れられて、綱吉は一瞬目の前がチカチカした。
近道だからといって、この時間にこの界隈を通るんじゃなかった。
地面に膝をついて、頭を垂れる。
「ぅ え゛…ッ!!」
急激に喉元を吐しゃ物がせりあがってくる。嘔吐する前の大量の唾液が後から後からパタパタと地面に垂れ落ちる。
駄目だ、頭を見せていたら、そこをやられる―――
「うぶわぁあッ!」
ごぎっ、
どすッ、「や゛め」バキッ、
みぢぃっ、
――どしゃり。
「―――貴方は馬鹿ですか」
先ほどの男の頭をグリッと靴の底で踏みにじりながら、骸は冷ややかにこちらを向いた。
「ろくど…、」
「――イライラする。弱い癖に勝手に出歩くな」
「…ごめんな、ありがとう…、」
「っ…、いいから。早く立ちなさい。この辺りは物騒なんです」
グイッと手を引かれて、腹部に鈍痛が走る。
「痛…ッ、」
「あ…、」
ぎゅっと痛みに目を瞑る綱吉に、一瞬骸の視線から剣が消える。
無意識のうちに、眉を寄せた。
「…どうせ出歩くなら、僕の目の届くところに出歩きなさい。その方が面倒ごとが増えなくて済む」
「え…?六道…?」
口をついて出たその言葉に、自分自身でハッとして骸は困惑した。
何を言ってるんだ、自分は。
「――とりあえず、面倒事を増やすなと言ってるんです」
踵を返して早歩きで通りを歩く。
「…うん、そうだね」
それは俺も同意見なんだけどね、と心の内で呟いて、綱吉はちょっと笑った。
なんだか初めて、六道骸という人間が見えたような気がしたから。
「ちょっと六道君、歩くのはやいよ」
「うるさいですね、君が遅いんですよ。…何笑ってるんですか」
「いや、べつに、何も。ふふ、」
「気持ち悪い人ですね…、」
******
とか。うおーこれちょっとツンデレ骸が書けそうで楽しそう!
5 出会ってしまった民間人と王族。(もしくは貴族)民間人は?
綱吉。庶民の暮らしに激しく興味のある、頭おかしい貴族(=骸さん)に見つけられて、振り回される。
******
「よし、じゃあ市場に行きますよ」
「ちょっ、待って!!そんな格好じゃかえって怪しいですから!!」
パピヨンのマスクをつけて黒いマントに黒い帽子(羽根つき)を意気揚々と身につけ、町へ繰り出そうとするそのキ○ガイ貴族を必死に止める。
「何故ですか。仮装パーティーなら大体こんな感じの格好ですよ」
「こんなことにいちいち説明しなきゃいけないのも気が滅入りますが、変装と仮装は違いますから」
ばりっとマスクを外す。
「あー!マスク外しちゃ顔が判っちゃうじゃないですか!」
「いいから!あとこの帽子そのものも要らないけど、羽根はもっといらない!」
ブチッと帽子の羽根をもぐ。
「あぁあーー!!その羽根はおしゃれポイントなのに!」
「変装するのに曲がったおしゃれポイントなんて要りません」
「じゃあ民間人はどんな格好して市場に行くんですか」
「そうですね…少なくとも貴方の持ってる服の類じゃないことだけは確かです」
*******
6 傷ついた天使(妖怪など人外の者でも可)を保護した人。人は?
綱吉。骸さんは妖怪。
舞台は日本昔ばなし的な、むかーしむかしの日本。
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おかしいなとは思った。
この寒い季節に、薄そうな白い膝下丈の着物を着てる子供が、四辻の隅にひそりと膝をかかえて座ってるなんて。
その子供は今、目の前で雑炊をすすっている。
綱吉の家も金が年中なくて、不器用ながらも何とかこさえた傘を売って生活している有様。
正直、子供ひとりを抱えて生活していく余裕などない。
つい、放っておけなくて、あたたかいものを少しでも食べさせたくなった自分に後悔している。
「おかわりください」
「もう…、何もかも食べ物…無いんですけど…」
なんて食欲だろうか。その小さな体で食いすぎである。
何もなさ過ぎて涙すら出てこない。
がくりと項垂れて綱吉は、いろりの上の鍋の中をかきまわした。
何もない。…何も、ない。
(う…ッ、俺、一口も食ってないのにぃ…)
泣きそう。
子供は二、三、瞬きして、かちゃりと行儀よく食器を置いた。
「そうですか。もう無いですか。…じゃあ」
ちらりと、作りかけの傘に目をやる。
「エッ?!ちょっと待って!!それは食べられないから!」
木の根をかじって食いつなぐ人間もいる。
とはいえ、まさか商売道具まで?!いくら食欲旺盛だからって、それは勘弁してほしい!
「わかってますよ」
しかしその子供は、きわめて冷静にその傘を手にとり、
「………!!!」
左右の色の違う目を瞬かせた瞬間、
ぶわぁ、と、
傘に鮮やかな美しい花模様が拡がった。
平安の夢をうつしたような上品で明るい色合いの華、花車、滝。
「すご…、え…?!」
「これならもっと売れるでしょう?」
振り向いた子供の右目は、「一」の文字を映し紅い灯火のように光っていた。
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もうこれ「妄想設定お題」ぐらいの勢いだ
『王道設定バトン』
あなたの嗜好に併せて攻め派か受け派かを答えてください。
好きCPを当てはめても構いません。
→要するに骸さんとツナで考えればいいんだよね!
さらに「こんな話だったら」的な妄想設定を付け加えます。
1 昔から共に生きてきた主と従者。主は?
主はツナ、従者は骸。
お話はシリアス。何代にもわたってツナの家に仕えてきた骸さん。
最終的にツナの家はツナの代で滅びてしまうのだけど、従者の骸さんだけは最後まで一緒にいます。
*****
もう誰も居ない館、ずいぶんとがらんとしたその広間に、最後の主と従者が居た。
跪き頭を垂れたままの濃い藍色の髪を、ふわりと細身の手が撫でる。
「…だから、故郷(くに)に帰れと何度も言ったのに」
くしゃりと、笑みを泣きそうに歪ませて、ツナは無理に口の端を上げた。
こんなところで埋もれさせるには、あまりに惜しい才を持った男。
判ってはいたし、何度も忠告はしたのに、それでも本気で彼を外にやることができなかったのは、
……心を、離すことが出来なかったから。
しかし従者は頭を上げ、まっすぐにツナを見つめた。
「あなたは、僕を難民にでもするつもりですか」
回りくどい皮肉を言ったかと思ったその顔は、しかし、ふ っ、と、陽だまりのようにゆるんだ。
「…僕だって、僕の故郷(くに)は此処だと何度も言ったはずですよ。
たとえば船の船長が船と共に沈むように、僕もここに置いていてもらえませんか」
くしゃり。と。
今度こそ、ツナの目から涙がこぼれた。
「お前、ほんと、頭いいのに ばかだよね」
「最後の忠臣に、それは無いでしょう」
二人で、肩をゆらして変な感じに笑った。
こんなふうに笑っていたら、お互いが子供の頃に戻ったような気がして。
ひどく幸せで、ひどく懐かしかった。
********
なんか変なシーン書いてしまった
2 相方をかばった怪我が原因で記憶喪失に。記憶を失ったのは?
骸さん。
記憶を失う云々よりも、重要なのは「相方をかばった」ということです。
きっと骸さんは咄嗟にツナを庇う(と信じたい)。
何故かツナの記憶だけ抜け落ちるとか、そんな話の展開も面白そうですが、
ここはあえて「なんか色々失った」路線で。
********
「うわぁ!!何ですか、ハコの中に小さな人間が映ってますよ?!」
「ぇええ?!てッ、テレビも忘れちゃったの骸さん?!」
「ぇえ?!これってそんな重要な何かなんですか…?!どうしましょう僕忘れてしまった!エンピツは覚えてたのに!!」
これは、ひどい。
記憶を失ったとは聞いていたが、まさかここまでとは。
マジでビックリしながらツナはおそるおそる骸に近づく。
「え……ッ、じゃあ、俺のことは、もちろん判んないよね」
「?綱吉君でしょう??」
「あ…っ、そこは覚えてるんだ」
「勿論ですよ!自分の恋人を忘れるわけがありませんよ!!」
「エッ?!ちょ待ッ、おかしくない?!お前やっぱ俺のこと忘れてるよ!!」
友達と呼ぶのすら恐ろしい、思いっきり敵だった相手なのだ。
まかり間違っても「恋人」とかではない。
「ウソだ!!だって僕君といるとドキドキしますもん!」
「ェエエエエーー!マジでぇーー?!こっちも別の意味でドキドキするよ!冷や汗出そう!」
********
3 敵に操られ仲間を攻撃!操られたのは?
綱吉。
しかもやっぱり、骸さんを攻撃。
少なからずショック、当惑する骸さん もしくは嬉々として戦いに応じる
*****
鮮やかな炎ともに切り込んできた拳を、すんでのところで避けた。
「ちょ…っ、綱吉君?!」
突如として始まった自分への攻撃に、戸惑いながら骸は攻撃を避ける。
たしか自分は綱吉と共に敵のアジトに乗り込んできていた筈――
(―――!!)
まさか、術士が。
(そういう事ですか……)
おそらく綱吉の目には、自分が敵に映っているのだろう。
それならば、話が早い。
「お目覚めの時間ですよ、綱吉君…!」
ヴヴ…ン、と六道の瞳を一に変えようとした瞬間、
「くそ…ッ、この変態、いいかげんにくたばれよ!」
「え…ッ、ぇええーーッ?!」
骸は耳を疑った。
「ちょっ、ちょっと待ってください綱吉君、君ホントに幻覚見てますか?!」
「いつもマトモじゃないプレイばっかしやがって、付き合わされるこっちの身にもなれよ!」
「そ…っ、そんな!ひどい!!綱吉君!!」
わぁっ、と両手で顔を覆う。しかしながら攻撃を避けることは忘れない。
君だって好きでやってくれてると思ったのに!!
少なからずショックでおんおん嘆いた。
「え…っ、ちょ、骸さん!!何一人でダンスしながら泣いてんの!!戦えって!!!」
突如として横でひらりひらり舞うような動きをしながら、大号泣しだした大の男にギョッとしながら、綱吉は必死に戦っていた。
敵にはたしか術士がいると聞いた。だから骸を連れてきたのに…まさか彼が幻覚でも見せられているのだろうか?
これでは幻覚を使えない六道骸、よりも使えない六道骸になってしまっている。
「ちょ…ちょっと!冗談じゃないよ骸さん!戻ってきてよー!!なんでそんなアッサリ幻覚にかかっちゃってんの?!」
理由が自分自身にあるとは、綱吉も気付きようがなかった。
**********
骸おにいちゃん ..No.74
気がつけば妹に教える事のできる教科は保健体育(決して体育ではない)ぐらいになってました。
******
かんたん設定
骸→兄(大学生)
ツナ→弟(中学生)
「おや。おやおや!綱吉君宿題ですか!」
静かに机に向かって教科書を眺めていた綱吉の部屋に、兄の骸が嬉しそうに乱入してきた。
宿題ではなく正確にはテスト勉強だったが、危険因子が発生したため中止である。
「ぅわ、何…、兄さん」
兄がくるといつも事態がややこしくなりロクな事にならない。
この前も"分かりやすいようにと思って参考書にポイントを書き込んでおきました"とにこやかに手渡された参考書には、やたら具体的なアドバイスが保健体育の避妊の項目に書き込んであった。
そして書き込みの最後には"彼女ができたらまず兄に相談すること"の赤文字の一文が。
…あれは、怖かった。
そんなわけで、綱吉はいらぬ時間を取られぬようにとサササと机の上の教科書たちを片付けはじめた。
しかし、その教科書たちをダン!!と端正な手が阻む。
「あーなるほど保健体育ですか。僕の得意分野ですね。今どこやってるんですか?」
「いや、いいから、大丈夫だよ…」
「ああ、身体構造…血液の循環ですか?排卵機序に射精のメカニズム…かいつまんでるわりに結構詳しくやるんですねぇ」
いらんと言うのに勝手に教えるモードに入っている。
「でもこの説明じゃいまいち判りにくいですね。僕が図解してあげましょう」
すでに引き気味で椅子の上で20cmほど離れている綱吉にはかまわずに、勝手にボールペン(しかもボールペン)を手にとって直接教科書に何やら書き込みはじめた。
「ちょっ、兄さん教科書はやめてよ!教室で開くんだから!!」
色をなしてとめようとする綱吉に、骸は眉を寄せる。
「何ですか。別に落書きしようってんじゃないんですからいいじゃないですか。いいですか?まず男性の生殖器の内部構造ですけれど、横から見た図は…」
と言ってそのまま"横から見た男性の生殖器の内部構造"を描き出す。
「それそんな詳しくしなくてもいいよ!」
「よくないです!!いいですか?!横からじゃないと判りにくいんです!そもそも射精を促す性的オルガズムスに達するには、想像力も大事ですけどまぁ幾つか方法がありまして、」
その生殖器の内部によくわからないこだわりの角度でもって挿入物が描かれる。
「ちょっとォオオ!!マジやめてくれませんかねぇえ!!」
単なる猥褻物を教科書に陳列しだすそのボールペンをむしりとろうと手を伸ばすが、いい感じに肘で妨害される。
迷惑も甚だしい。こんな猥褻物を教室で広げた暁には、きっとあだ名が「ダメツナ」じゃなくて「エロツナ」とかになってしまう。
「ちょっ、今イイところなんですから邪魔しないでくださいよ!!」
何故か若干ハァハァ言いながら真剣になんか描いてる骸に、お化けでも見たかのようにギャーと泣きながら綱吉がつかみかかる。
「もうほんとムクにぃやめてったら!!ボールペンやめて!!」
小さいころの呼び癖と必死になるその綱吉の姿に、骸がガバッと口に掌をあて一瞬動きを止める。
「な…ッ、何、なんですかその、まるで最中にボールペン挿れられたみたいな萌え発言…ッ、」
何を言っているか理解するのを頭が拒否していたので、ノーリアクションのまま綱吉は隙のできた兄からボールペンを奪い取った。
すると兄は照れたかのようにそっぽを向く。
「もう、せっかくどうやったら気持ちいいかを丁寧に教えてあげて、実践に備えようと思ったのに!知りませんよいざとなったときに知らなくってびっくりしても!」
「そんな"いざ"は永遠にこないから大丈夫だよ、はい兄さん帰って帰って、俺は一人でもテスト勉強できるから」
そっぽを向いてるのをいいことに背中をグイグイと出口に向かって押す。
口を尖らせながらこちらを振り向いてくるが、そのキモさにはあえて我慢をする。とりあえず早く出て行ってくれ。
「お兄ちゃんは寂しいですよ綱吉君…、いつのまにそんなにクールに育ってしまったんですか…"おにいちゃあん、きもちいいことしてぇ"とか言って素直に股を開いていたあの頃は「そんな過去は1_たりとも存在しなかった!!!!」
無理やり兄を部屋から追い出した。
「ああ、もう11時すぎ…」
兄はいつも時間ばかりを奪っていく。
そのうち別のものも奪われそうで、最近そろそろ本気で怖いと思った15歳の冬だった。
********
骸がお兄ちゃんだったら、まったくもって干渉しないクールツンデレタイプか、これでもかというほどに干渉しまくるウザデレタイプのような気がします。
相手をいい気になるだけいい気にさせておいて、
ドン底まで突き落として愉しむいつもの骸さんのSプレイだよねと思っています(今週のおみゃんぷさま)
でも素でフルボッコにされて心の底からチクショウと思ってるピュア骸さんも好きです
メニューページのあいさつ文の、
?げられずに表に出てこれなかったネタ↓
*****
骸「果報は寝て待て、ですよ綱吉君」
綱吉「しっかりと根回しした後でな!!何で俺いつのまにかお前の部屋にいるの?!」
骸「すべては君と僕が出会ったときから始まっていたんですよ」
*****
「とうに桜も散りましたね。もう新緑の季節ですか。そうこうしてるうちに梅雨がやってくるんですよ」
「どうしたの骸さん、元気ないね」
*****
「新生活の季節ですね。綱吉君、そろそろ鬱になってきたでしょう!」
「なんで?何でそんな嬉しそうにそんな後ろ向きなこと聞くの骸さん?」
*****
個人的に絵にしてみたいのは、嬉しそうに「そろそろ鬱になってきたでしょう!」と言う骸さんです
あと、冬のあいさつ文書こうとしたらダラダラ長すぎたのでだめになったネタ↓
〜もし骸さんが体張ってオシャレするギャルみたいな人だったら〜
骸「おはようございます綱吉君!」
綱吉「おは…って、ウワ寒くないのその格好?!なんでわざわざ微妙に腹出してるの?!」
骸「やめてくださいそんな僕の事を自宅で昼寝してる中年親父のような!!これはこういうファッションなんです!」
綱吉「オシャレとかいう以前に見てるこっちが寒いよ、えっじゃあもしかしていつもさ、無駄に鎖骨出してるのもファッションの一つなの?」
骸「当たり前です。オシャレに寒いとか言ってられません。むしろ寒暖など感じさせないくらいのセンスでいかないと」
綱吉「お前と話してるとだんだん何の事を話してるかわからなくなるけど、とりあえず風邪うつされると困るからもうちょっとあったかい格好してください」
骸「君がもうちょっと普段もチラリズムを意識した格好をしてくれたら、僕は勝手にあったまります」
綱吉「うん、何の事を話してるかわからないな」
〜もし骸さんが寒暖に極端に弱い人だったら〜
骸「おはようございます綱吉君…」
綱吉「おは…って、ウワなんか暗いね骸さん!」
骸「(顔の下半分を覆い隠すマフラーの下でモソモソと)冬は寒いから活動力が低下します」
綱吉「でも骸さん、夏もへばってなかったっけ。何話しかけても呻き声しか聞こえなかった記憶があるよ」
骸「(モソモソ)あついのも苦手です」
綱吉「どっちも苦手なんだ…だから今もそんなあまりにもモコモコな長いダウンジャケット着てるんだね。なんか骸さん自身がかまくらみたいだよ」
骸「(モソモソ)なんとでも言えばいいです…こうやって地上に出てるのだって僕にとっては奇跡みたいなもんなんですから。何で君冬も夏もよく地上に出てるんですか」
綱吉「いやだってふつーに生活してたらそりゃ…。まさか、前"こたつごと移動したい"って言ってたの本気だったの」
骸「(モソモソ)本気に決まってますよ。もうだめです、外気の気温に耐えられない。綱吉君、やっぱ今度するときは暖房28度ぐらいにしていいですか。僕だけモコモコに服着たままで」
綱吉「そこまでして活動力上げなくてもいいよ骸さん。嫌だよ、なんでそんな異常な状況で」
骸「(モソモソ)えぇ〜、じゃあ後は沖縄とかに行くしかないじゃないですか」
綱吉「だからそこまでしなくてもいいだろ!!!」
*****
でもあのネクタイ on T-shurtを見る限り、骸さんは我が道を行くかんじで前者なんだろうなと思います
通販で買ったいいにおいのはずのハンドクリームが思いのほか臭くてビックリした ..No.72
無理やりにおいつきのティッシュみたいなにおいだった
はじめてローズティーを飲んだときの衝撃と似ている
「これトイレじゃん!!!」
よく教育☆テレビとかN○Kとかを流して、午前中に「おは○しのくに」とかEIGOりあんとか子供向けの番組を見ては気持ちを落ち着かせたり生暖かく笑っているカヤです。
同じくらいローカルのいいかんじにしょぼい番組も生暖かく見ます。
癒される…
その人形劇のなかで、ウケたネタがあったので骸さんで紹介しようと思います。
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まじめな会社員の骸さんのお家に、愉快なおばけが居つくようになりました(外見は骸さんといっしょ)。
毎晩一緒にゲームをしたり踊りを踊ったりして楽しく暮らすようになります。
そのおばけが居つくようになってから、がちがちの堅物骸さんが遅刻ギリギリに会社に来たり、雰囲気がちょっと変わってきます。
「絶対骸さんおかしいびょん」
「あれはきっと何かある…」
不審に思った気になった部下たちは、ある日骸さんの自宅をドッキリで訪ねます。
しかし当の骸さんはベッドでおやすみ中。
おばけ「ちょっと骸さん起きてくださいよ!人が来ちゃいましたよ!
あぁ〜〜もう、起きない……! こうなったら…」
外見が一緒なので、骸さんの代わりにおばけが部下たちを出迎えます。
基本、愉快な性格のおばけがまじめな骸さんに中身を似せるなどできず。
「あれっ?なんか骸さんいつもと雰囲気違うれすね」
「喋り方も違います」
おばけ「あっ、あぁ〜!家ではいつもこうなんですよ!」
「このレコード、骸さんのれすか?(←サンバ)」
おばけ「そうなんですよ〜〜、久しぶりに聞いてこの前その曲で骸さんと踊って…」「骸さん?! 骸さん、自分のこと骸って呼んでるんですか?!」
(しまったー!)
「そ そうなんですぅー!家ではいつもこうなんです! 骸楽しかったなぁ〜!」
その後、本物の骸さんが起床します。
(?何か賑やかですね…)
見ると、なんと部下たちとおばけが一緒に何かワイワイしてるじゃありませんか。
(!!?何で部下達が…!!)
そこにおばけがフヨッとやってきます。
「ちょっとおばけさん、何でこんなことになってるんですか…!あの人たちに帰ってもらってくださいよ!」
「えぇっ?!代わってくれるんじゃないんですか?!」
「無理ですよ、もうこのまま帰してください!」
とか押し問答をしますが、本物の骸さんが部下に見つかります。
仕方なく本物骸さん、わけもわからぬまま御もてなしを続ける羽目に。
しかしながらまじめな雰囲気を誤魔化せる筈も無く。
「あれ…っ?なんか骸さん、会社モードれすね」
「そっ、そんなことないですよ!!骸たのしいナァーー!!」
「骸さまがこんなに楽しい方だとは思いませんでした」
やがて部下は帰っていきます。まじめな堅物だった骸さんは、肩の力を抜くということをちょっと覚えました。 よかったね、的なお話。
********
自分のことをいつも名前で呼んでるとかいう、取り返しのつかない感じの誤魔化しに吹いたんです。
2年7組 沢田先生! ..No.69
(中学校)
**********
「はーいじゃあ授業はじめるよー、皆席についてー」
適当な感じにざわついているクラスの中で、沢田先生こと綱吉は教科書を軽くかかげてぺたぺた教壇に立った。
「今日はこの前の続きで、教科書69ページ、いつ子の気持ちのところからだよ」
チョークを片手にとり、くるりと後ろを向く。
「はい先生、質問です」
すると開始三秒ぐらいでいきなり質問が背後から飛んできた。
「…はい、何ですか、六道君」
律儀に片手をあげてにこやかな笑みを浮かべている彼を、振り返る。
「今日の仕事は何時ぐらいに終わりますか」
「うん、まだ今のところわからないですねー、よしんば終わったとしても泥のように眠りたいですね」
チッと凶悪な舌打ちが聞こえるが、あえて綱吉は聞こえないフリをする。
するとすぐ近くで手があがった。
「先生」
「はい雲雀君」
「今日は一緒にお昼ご飯食べてくれるんでしょ」
「立ち入り禁止の屋上で二人で食べるっていう前みたいなリクエストでなければいいよ」
「なっ馬鹿鳥あなたそんなリクエストしてたんですか!その手があったか!!」
「はい、六道君脳内の言葉も全部出ちゃってるよ。私語は謹んでね」
「てめぇ沢田先生の授業を穢すんじゃねぇ!!俺だって沢田先生の腹具合はよくなったか気になってたのに!!」
ガタァアアン、と椅子を蹴散らかす勢いでガラの悪い学生が席を立つ。
「あー獄寺君ありがとう、もう先生お腹の調子は大丈夫だから」
「はい、じゃあいつ子の気持ちから」
一通り騒ぎが収まってから、改めて綱吉はチョークを手にとった。
「喧嘩して以来、クラスメイトの吉田君を、今までとは違ったふうに思いだしたんだったね。前はどう思ってたんだっけ?ちょっと文を探してみて」
"前の気持ち"と黒板に書く。
「はい先生」
「はやいね六道君、もう答えてくれるの?」
「前は冴えない取るに足らない人間だと思っていたんですけど、どうしても無視できない危うさと色気があるんだって気付くように「うーんそれはちょっと違うなー」
更に"今の気持ち"とスペースをあけて黒板に記す。
「気にならないのが気になるようになった、という点では当たってるね。他に、あるかな?」
「先生」
「どうぞ、雲雀君」
「屋上がダメなら音楽室でもいいよ」
「雲雀君はそのネタを引っ張りすぎだね。あと微妙に人がいない場所は怖いからやめようね」
「先生ー!」
「はい、ハル君」
「そういえばハルこの前お菓子つくってきてたんでした!先生に渡そうと思って、ほら!」
じゃんっ、とばかりに出されたピンクの包みに入ったクッキーに、にこやかに頷く。
「うん、ありがとう。あとで貰うね」
綱吉の笑顔にふにゃああ、と顔をとろけさせて「はひ…!」とハルが頷いた。
「ちょっずるいですよ!それだったら僕だってあたためていたプレゼントが先生にあるんです!!」「そこ、猥褻物は出さない!!!!」
「校長、俺あのクラスでやっていける自信がやっぱりありません」
「根上げんのがはえーぞツナ。あのやんちゃ共ぐらいうまく手綱さばきやがれ」
「お前そんなこと言うけどなリボーン、俺地味に貞操狙われてるんだよ!!ダブルで大変だよ!!!」
「いいじゃねぇかちょっと掘らせるくらい。それでうまく黙らせろよ」
「とんでもないこと言うね?!頼むから辞めさせて!!!」
***********
「はい、じゃあ今日の授業はここま「先生、最後に質問いいですか」
「…………何ですか、六道君」
骸は(骸"も")授業に関する質問をしたためしがない。
もう授業終わらせてくれよと多少げんなり気味に返すと、とても眩しそうな笑顔で骸は綱吉を見上げた。
「…今日の、下着のお色は」
「じゃあ皆最後のあの問題は宿題だからね〜、忘れずにやってきてね」
「ひどいです先生!生徒のピュアな質問に答えてくれないっていうんですか!」
動かぬ半眼で流した綱吉に、ガタンと骸が席を立った。
「ピュアでも何でもねぇよ!お前は笑ってても目が本気だから怖いんだよ!!しかも何だその質問、まるで俺が毎日申告してるみたいじゃん!もう、答えないからね!」
がたがたと教材を片付けだすのに、クラスの生徒は一向に席を立たない。
「………」
見ると、皆ゆるんだ笑顔でこちらを見ている。
「はわ、可愛いですツナ先生ぇ〜」
「さすがです沢田先生、これが噂のツンデレって奴ですね」
「俺も先生の下着気になるな〜」
「後で僕だけに教えてくれるんだよね?」
「無いから!もう本当色々無いから!!頼むから普通に授業終わらせて!!」
どさくさに紛れてとんでもない台詞をかましてくれている。
泣きそうになった。
「…お願いしますリボーン様、どうか別のクラスにしてください」
「それよりツナ、結局お前今日の下着何色なんだ」
「ほんと勘弁してください……」
**********
骸は、目の前で言いよどむように視線を彷徨わせて怯えさえ見せている綱吉に、思い切り眉根を寄せて見下ろした。
あのアルコバレーノにまんまと仕組まれて今日護衛をする事になり、
放棄するのも面倒なので必要最低限の事をしたまでである。
わざわざつく必要もなかろうと思われたが、意外にやはりボンゴレの次期10代目は狙われているらしい。
下校中、特に会話もない空気の中で視線をどこへとなく遣りながら、骸はきわめて密かに息を吐いた。
少し離れた位置で、明らかに居たたまれない表情をした綱吉が歩いている。アルコバレーノに心中で暴言を吐いているであろう事が容易に窺える。
好んで此処に居るわけではないことは、こちらとて全く同じである。
全くもって、
「…忌々しい」
「…っ、」
聞こえぬほどの呟きのみにとどめようとした言葉は、しかし綱吉の耳に入る。
わずかに身体を強張らせた綱吉にチラと視線をよこし、聞こえたのならばと開き直る。
「思い上がられたら困るので言っておきますが」
「僕はマフィアと馴れ合うつもりは微塵もありません。他者に…よりにもよってマフィアにいいように使われるなど虫唾が走って仕方ない」
横にやった視線が鋭さを増す。
「わ…、わかってるよ」
鞄を握りしめる綱吉に、ハッと笑いを漏らす。
「判っている?何を判ってるというんです」
今まで住んできた環境も何もかもが違う、いわば骸にとって未知の生物であるぐらい次元の違う目の前の人間は、しかし「わかっている」と言う。
笑うなという方が無理な話だ。
目を見開いてグン、と綱吉に顔を寄せる。右手にヴン…、と三叉槍が現れた。
「忘れるな。僕が今ここで君の身体を貰い受けてもいいんですよ。だがまだ時期ではないと悟っただけだ」
凶悪なまでにまっすぐぶつけられた、呪いを秘めた六の瞳から目をそらせずに、震えそうになりながらも綱吉は骸の目から目を離せないでいた。
その綱吉の視界の端で、三叉槍が踊った。
「うぐぁ…ッ!!」
「気配を消したつもりですか?笑わせますね」
皮肉げに歪めた瞳には、四の文字。
驚いて横を見ると、鳩尾をおさえて膝をつく見知らぬ男の姿があった。
「あ…っ、」
気付かなかった。
その刺客に骸はいつから気付いていたんだろうか。
「君も」
冷ややかな温度をもって視線を滑らせる。
「いずれ僕が憑依するのですから、簡単にくたばってもらっては困る」
沢田家の門の前。
「あの…、骸」
「何ですか」
視線を前にやったまま去ろうとする骸を、綱吉は呼び止めた。
「あの…、ありがとうな」
その言葉にひどく顔を歪めて骸が振り返る。
明らかに気分を害している雰囲気を感じ取って、彼の沸点ポイントを把握しかねている綱吉は、ぎくりと肩を強張らせた。
「何がですか」
わざわざ礼を言われる筋合いは無い。これは強制であり、厚意ではない。
「だから…その、助けてくれて」
「虫唾が走るのでそういう生温い事を言うのをやめてくれませんか。不愉快だ」
「ごめ…」
「謝られるのも不愉快です」
取り付く島のない骸に、綱吉は言葉を失う。
「苛々する…、あえて触れようとしないところに触れてくる君に苛々する」
こうやってまともに向き合ってわざわざイラついている自分にも虫唾が走る。
どうして取るに足らぬ事と流せない?
くしゃ、と片方の顔に手をあてた。
目の前で立ちすくむ綱吉に、再び息をついた。
「――とにかく」
「僕は必要最低限のことをしたまでです。それ以上でもそれ以下でもない」
くるりと踵を返して今度こそ立ち去る。
とても気持ちがざわついて、これ以上ここに居れる気がしなかった。
立ち去る骸の背中から、綱吉の声が聞こえた。
「そうかもしれないけど、俺は助かったから!」
背中ごしに叫ばれた言葉に、眉根を寄せる。
だから。
そんな風に無防備に肯定的な気持ちを晒されると、
どうしていいか判らないというのに。
今日も契約の印を刻めなかった右手を、ギュ、と握った。
**********
パラレルじゃなかったら骸さんがちゃんとツンぽくなってくれる
好きなものと書けるものは一致しないからもどかしいです。
いつも変態デレ骸しか書けてないけど、本当は大大大大大好きなんですツン骸。デレほとんど無くてもいいぐらいツン骸が好き。
ツン骸はでも意外に常識人でピュアな気がするツン骸。
ツンすぎる骸>ヤンデレ骸=ピュア骸>変態 ぐらいの雰囲気で好きです(ギャグ骸は別枠です)
でも原作の骸さんて、案外ちゃんと本当に物腰柔らかだしツンじゃないんだよね(ex.「少々…疲れました」「この娘の身体を借りても(←協力すること前提の言葉)」)
女性的というか。
******
であいK 小ネタ
「骸さんってさ、やっぱ俺とつき… 俺とかの前も普通に男の人と付き合ってたの?」
何気なくつぶやかれた綱吉の疑問に、静かに笑みを作って骸は頬杖をついた。
"付き合う"という言葉を言い直した事実には、あえて目をつぶる。
「聞くんですか?それは一体どういった意図で?」
心持ち言葉の端の響きが鋭い。
意外に剣のある応答に綱吉の心が若干ひるんだ。
そうだ、この人はこのテのこと(=同性がどうとかいう)に関して不用意なことを聞くと、なんかちょっと怖かったんだった。
「いや…、ただ、ちょっと… …どんなだったのかな、とか」
視線を下に落として口ごもる綱吉に、密かな吐息と共に骸は笑った。
そんな、後ろめたそうな顔をしなくてもいいのに。まるでそれでは、質問内容ごと骸そのものが後ろめたい存在みたいではないか。
「…まぁ、さほど否定はしませんけど」
「えっ?なにが??」
「いえ。 …君と付き合う前、ですか?色々遊ばせてもらってましたよ」
「あそ…、遊ぶって…」
あまりよろしい想像ができない。
「クッフフ、なかなか楽しかったのはね、珍しくオラオラでバリタチの方を掲示板でひっかけましてね。僕を犯す気満々で来たみたいなんですけど……ガチムチな人間二人ほど使ってサセてもらいましたらもうそれはショックな様子でねぇ…最近じゃ入手しにくいんですが運よく手に入ったラッシュも使わせてもらいまして…いやあ、楽しかったですよ」
すみません。だいぶ言語が理解りません。
そう思いながらも、ニヤニヤと笑いながら口元に手をあてて恐ろしい事(だけは判る)を語るそのホモに、綱吉は"うん"とか"へえ"とかいった相槌すらも打てずにいた。
そんな綱吉が頑張ってひねり出した言葉は。
「…じゃあ、アレなんだね、骸さんはやっぱり犯す人なんだね」
なんかちょっとおかしい言葉だった。これではまるで犯罪者の頭文字に性のつく人みたいである。
「おや。おやおや」
クン、と顔を傾けてくる。どこでスイッチが入ったのか判らないが、どうやら機嫌がいいらしい。
「そう思いますか?フフ」
「だって何か、屈辱的なことは受けそうにないんだもの骸さん」
「そうですか?でもそうでもないんですよ」
「言ったでしょう、オラオラなバリタチなんて珍しいって」
「はあ」
その言葉の意味がわからない。
「そんなのは状況に応じてですよ。気持ちよければ構わない。実際僕は5:5ぐらいだと思います」
挿れるのと挿れられるのとの比率か?!ある意味すごい比率だな!
「ああ…、でも安心してください。今までのとは全部切ってきましたから。今は綱吉君一筋なんですよ?」
「はは…、、そりゃすごいや」
そんな数々の伝説を残した男の全力の"一筋"など、恐ろしいので正直分散させてもらってもいいと思う。
「あ、ひどい綱吉君、今ひきましたね?」
むしろなんとか頑張って返答している自分を褒めてほしいと思う。
「そんな事聞くなんて一体…ああ、ひょっとして綱吉君、たまには挿れたいとか思ってるんですか。別にいいですけど…」
「よくないよ!!!ひょっとしても何も無いよ!!」
*******
芸的専門用語や専門知識を当たり前のように話してくる骸に、正直さっぱりわからなくて戸惑いまくる綱吉とか楽しいと思います。
そのうちゲイバーにでも行ったらたぶん綱吉はもっと大変なことになるだろうけど、骸さんが連れていきゃしないか。いやでも綱吉が襲われるのを防ぎきる自信満々で、見せびらかして自慢しにいくぐらいはするかもしれない。ノンケ的な可愛い彼氏を。
↓キャラブックねたばれ注意↓
・六道アナ/スイ骸だった まさか本当に黒と紫が好きとは!誕生日といい予想通りすぎて笑える
六道骸っていう名前からして普通にあとづけ偽名なんだから、誕生日すらあとづけ偽誕生日なんじゃないのか 「六道骸になった記念日」的な
・けど好物がチョコレートっていうのは予想できなさすぎた てっきりハンバーグが入っているかと思えばハンバーグは雲雀さんか!(そういえばツナのおうちで食べたのはハンバーグだったろうか)
・「完全無欠」が好きな言葉って骸さん、ちょっと了平兄さんの「極限」のノリと似ててすげえ面白いです まるで必殺技を超大真面目に「ウルトラハイパーグレートシャイニングボンバーパンチ!!」とか言ってる人みたいですげえ面白いです
・髑髏ちゃんの嫌いな食べ物がまさかのナッポー
・もう突っ込みどころが多すぎて本当に面白いです
・ザンザスさんはそういえば誰かに眠りを覚まされたんだっけか、
じゃあヴァリアー騒動の本当の黒幕って…とか妄想していた
とりあえずキャラブックの表紙が某アンソロと似ていて噴きました
黒百合ぷちエピソード ..No.46
サイトにある「黒百合」の後日プチエピソードです
あま注意
「そもそもさぁ、なんで既に骸さんが"お姉さま"で決定なの?同じ学年なんだからそんなもん言ったもん勝ちじゃん!」
いちいち"お姉さま"といわなきゃならん恥ずかしさに、未だにぶちぶち文句を垂れながらツナは鞄をぶんぶん振り回した。
「おや、ツナ君はお忘れですか?」
とてもいい笑顔で上品に鞄を手にして歩く骸は、まるでさまよえる子羊を慈愛のまなざしで見守るマリアである。
お忘れって、何を?といわんばかりにツナは振り返った。
「僕は6月生まれで、君は10月」
「……」
そんな細かいところで決めてくるのか。
不審な顔をしたままツナは思わず立ち止まった。
骸もそれにあわせて立ち止まる。
ふわ、とやわらかな風が二人の間に吹いた。
「……それ、こじつけだよね」
「でも僕のほうがお姉さんです」
ニコッ、と一見無邪気で華やかな笑顔を見せる。
「そりゃあ勿論、ツナ君が早く生まれてたら僕は喜んで君の事をお姉さまとお呼びしますよ!それはもう、蜜のように甘く悩ましくかぐわしく――」
「わ、わかった!わかりました!!」
とめる間も無いままいきなり流れてきた恥ずかしい言葉に、ツナは両腕をぶんぶんと横に振って制した。
「クフ。判っていただけたら良いんです」
「もう、骸さんその18禁的な表現どうにかなんないかなー」
「ツナ君が頑張って"お姉さま"って言ってたくさん甘えてくれたら、もう少しどうにかなるかもしれません」
「(そういう表現だっていう)自覚はあったんだ!!」
「ほらぁ、ほらほらもっと甘えてくださいよー、僕はお姉さまですよー?」
若干あやしい笑顔(目が笑っていない)でにじり寄ってくる骸に、ツナは思わず後ずさった。
「こわ、怖いって!そんなテンションで来られると甘えるっていうより逃げたくなるから!」
「もうだめツナ君、僕は逃がしません。…そうそう、この間君が言ってた北海道の特別製バケツプリンと大きめのフランス製カヌレ、手に入りましたよ」
以前から涎が出るほど食べたかった代物を目の前にちらつかされて、ツナが目を見開いた。
「は はゎああ…… とっ、届いたんだ……!!!」
「ええ勿論。賞味期限も迫っていますしねぇ…君がいらないって言うんなら畜生にでもやるしかないですね。僕はそんなに食べませんし」
「そ そんななんて勿体無い!!く、ください骸さん!」
身を乗り出すようにして懇願するツナに、にやり、と骸が笑みをつくった。
「……"お姉さま"」
「…えっ」
「"お姉さま、ほしくて仕方ないからちょうだい"とおねだりしてくださいな」
「な…っ、余計な台詞が多いよ!!」
「じゃあ君、"お姉さま"の一言だけでも言えるんですか?」
「ぐ…ッ、」
「いえないんじゃぁ、カヌレもプリンも畜生行きですね」
(だっ、駄目だそれは絶対に駄目だ!!)
ツナは拳を握った。
しかし、今までずっと"骸さん"と呼んでたのにいきなりそんな呼び方しろといわれても。
第一、その呼び方って、なんか他人行儀だ。
それがツナにはちょっと淋しかった。というのもある。
「ほら、ほらツナ君」
「…ずるいよ骸さん」
「え?」
「だって骸さんは名前で呼べるのに、どうしてこっちは名前で呼べないの?…さみしいよ、なんか」
唇をぐっと引き結ぶようにしてこちらを見てくるツナに、一瞬骸は言葉が出なかった。
「ツナ君……」
「なんかっ、他人みたいじゃん"お姉さま"って。ちゃんと名前で呼びたいよ」
言い募るツナに、骸は胸元のリボンをきゅうう、と握った。
何だか今、気持ちを甘く絞られたような気がしたから。
「…ごめんなさいねツナ君。そんなふうに思っているとも知らないで。…いいですよ、周りには僕が君の事を触れて回ればいいだけのことです。好きなようにお呼びなさい」
"触れて回る"という不可解なフレーズにンッ?と思ったが、名前を呼べることが嬉しくてツナはぱぁあっと顔を輝かせた。
「ほんとに?!ありがとうー!骸さん大好き!」
がばぁ、と何の前触れもなく抱きつかれて、逆に骸は動きが固まった。
「つ…、つ…、ツナく…、」
まともに名前すら呼べてない様子の骸に、驚かせちゃったかなとツナは申し訳なさそうに伺った。
「ごめん、びっくりしたよね」
「いえそのままで!!!」
離れようとするツナの腰をぎゅうっとおさえて、骸は叫んだ。
「僕はこの上もなく今幸せを噛み締めているんです、もう少しくらい長くいい思いさせてください」
(う うおおお力が強くて離れられねぇええ)
ぐぐぐぐ、と力を入れて離れようとしてもそれ以上の力で離してくれない。
いくら嬉しかったとはいえ、軽々しく彼女に抱きついた事をかなりツナは後悔していた。
「いいことを思いつきましたよ!"骸お姉さま"って呼べばいいんです!」
「長いよ!!」
おかげで、ツナの骸にたいする呼び方は未だ定着していない。
<かきにげ>
カヌレを食べたいのは、何を隠そう私です
かってにひろったバトン ..No.44
『六道骸は変態だと思うバトン』
1、六道骸はやっぱり変態ですよね?(改めて)
→本人としては自分以外の全てが「変わった生態」だとでも思ってるんじゃないでしょうか
2、どこで骸は変態だと感じましたか?(標的○○も覚えていれば書いてください)
→必要以上に綱吉さんの耳の後ろに顔を近づけてその肢体を押し付けていたあの悦った顔といったら、特殊性欲の持ち主以外何と呼b(カヤさんそこらへんで)
3、彼はどんな変態だと思いますか?
→愉しんで快を得る事に関しては努力を惜しまない変態
ex.『おもちゃ…、ですかねぇ…』
4、骸のもつフェチってなんだと思いますか?
→被虐オーラ持ってる人フェチ
5、骸のコレクションしているものって何だと思いますか?
→体感する全ての感覚
6、骸に該当すると思うものに○か×をお書きください。(それぞれコメントもお書きください。)
・制服マニア…○:骸「失礼な、マニアじゃありません。ただ制服への嗜みがあるというだけです」 綱吉「普通の人は嗜みとか無いよ」
・女装好き…○:骸「あれはなかなか興をそそりますよ、この前も綱吉君に…」 綱吉「女装するのはオレなんだ!」
・盗撮・盗聴している…○:綱吉「これ骸さんの存在意義ともいえるべきライフワークだよね」骸「失礼な!!そんなチャチな真似しません!ちゃんと自分の能力(憑依)を使って…」
綱吉「………(可哀想なものでも見るような目)」
・48手を使いこなせる…△:骸「あんなのわざわざ全部使おうとする方が馬鹿らしいですよ、本当にイイものはたいして数在りません」綱吉「それが"使いこなしてる"って言うんだと思うよ」
・家では裸…△:骸「たいてい僕が自室にいる時…ほとんど居ませんが…といえば行為に及んでいる時ですからね…あぁ潜伏先の方ですか?服を着てるに決まってるじゃないですか」
綱吉「………(←自室がどういうものかは知っているのに、何処にあるのか未だによく判らない)」
・ナルシスト…○:綱吉「多分ナチュラルに自分カッコイイって思ってるよあの人」
・脱ぐのも脱がせるのも早い…△:骸「脱がせるまでに至る過程はそうかもしれませんが、実際に脱がせるのは愉しみながら徐々にしたほうがイイですよ」綱吉「だ、誰もそんなこだわり聞いてないから…!!」
7、みーくんになって何をしたと思いますか?
→今日もハンバーグを食べた
8、10年後彼はどうなっていると思いますか?
→実はミルフィオーレ側に居る
未だにツナの身体を狙っている
ツナ関連コレクションがそろそろ万に届く
9、最後に一言。変態な骸さんに向けてメッセージをどうぞ!
→そのままの貴方で…。
10、次に回すひと→変態だと思うマイミクさんを書いてください。(いないようでしたら普通に)
→ただ答えたくなってみただけでつ 勝手に拾ってごめんあきちゃん
マジメに骸がバトル(体術面)の家庭教師だったら
(既に骸は負けているのでリアリティが無さ過ぎるが)
世界が反転した。気持ち悪く宙に浮いた浮遊感を感じた次の瞬間、
「―――ぐぁああッ!!!」
地面に叩きつけられていた。
「もっと、もっとだ沢田綱吉!!」
哄笑すらあげる勢いで骸が脚をつけた地を蹴った。
「君の力はこんなものでは無いはずだ、もっと――そう、"死ぬ気"になってみなさい!」
はぁあっ、と肺腑の底から息を吐いて、綱吉はゆらめく橙の瞳をかっと見開いた。
時間にしては一瞬。バネのように身体をしならせ体勢を立て直し、低く身をかがませる。
そして一気に、Xグローブが放つ炎の加速を使って距離をつめる。
次は外さない。
渾身の力と炎をこめて繰り出した右手を、僅かなところで避けられる。
目を伏せ、如何にも楽しそうに骸は口の端をあげる。
「――惜しい」
「!!」
既に右手首は端正な指に捕らわれていた。
そのまま思いっきり骸の後方に投げ飛ばされる。
「まだ雑なんですよ、君!」
遠心力を使ったようにキュキュ、と投げ飛ばした綱吉に向かって身体の方向転換をした骸が、間髪入れずに三叉槍を回し構えて飛び込んでいく。
「!」
しかしその先に、綱吉の姿は無かった。
「しま――ッ」
頭上に、熱を持った影が落ちた。
バキィイッ!!
木屑と埃が舞い、
――床に拳を突き立てて片膝を立てる綱吉と、
すんでのところで交わして地にしゃがむ骸が無言でその場に居た。
目に紅く"四"を映し出したまま、小さく骸が息をつく。
「―――雑だから、何だって?」
常に無い煌々と燃える橙の瞳を、しかし冷静に伏せがちにして、横柄ともいえるほどに顎をしゃくって綱吉は骸を見下ろした。
「クフ……ッ、」
焔をともした彼は、骸の琴線をゾクゾクと刺激してくれるほどには、挑戦的で魅力的だった。
<バトルはある意味コミュニケーションであり、それは時に性交にも似ている>
あほすぎる小ネタ ..No.41
『絶淫絶触』
医師→綱吉
患者→骸(本当に何というか、色々患っている人間である)
「絶飲絶食ですねぇ」
入院中、嘔吐をしてベッドで軽くぐったりしていた患者の骸に、医師である綱吉はややのんびりと告げた。
嘔吐は原則として絶飲食。脱水にならないように点滴で水分を補う。
「ちょっとしばらくはモノ食べられないと思うんで、点滴はじめますよ六道さん」
聴診器を首にかけなおしてにこりと微笑んだ綱吉だが、綱吉の言葉は既に骸には届いていなかった。
「な……何ですって??!!絶淫絶触??!」
驚愕に目を見開いて、ハァハァ言いながら今にも棺おけベッドから這いずり出てきそうな勢いである。
頭の沸いたありえない聞き間違いをしている骸は、それこそこの世の終わりであるかのような顔で綱吉を見た。
そのあまりにも鬼気迫る様子に、綱吉は若干身体を無意識にひかせる。
「え…っ、あ、いや…っ、たしかに(食べられないのは)辛いかもしれないけど、このまま(食べ物を胃に)入れても同じ事になるだけだと思うし…」
「ならない!!そんな事には決してならない!!」
「えっとですね……、あの…六道さん…」
電波といっていいほどに聞き分けがない。どうしてそこまで断言できるのか本気でわからず、綱吉は言葉を詰まらせた。
そこまでして食べ物を食べたいのか。さきほど吐いたばかりだというのに。
骸としては冗談ではなかった。淫らもお触りも断絶など、言語道断であった。
淫行と嘔吐は何の関係もない(たしかに何の関係もない)。
「僕はまだ何もやってないんです、これから(君に手を出そう)って時に、どうしてそんな…、そんな事言うんですか!!」
悲壮感を放ちまくって布団をぎゅうう、と握る。綱吉は眉を下げて、言いよどんだ。
そうか、突然吐いてしまってショックを受けているのかもしれない。絶飲食という指示が、まるで骸がひどく重病人であるかのような響きに聞こえたのかもしれない。
「大丈夫なんですよ六道さん、絶飲食とはいっても、ちょっと様子を見るためにするだけですので…」
しかし綱吉のそんな慰めの言葉も、電波には追い討ちにしかならなかった。
「様子を見るですって?!君はどれだけ僕を試したら気が済むというんですか、思わせぶりも大概にしてください!今まで僕はどれだけ我慢して…」
「そんな…!辛かったんだったらちゃんと早めに言ってください、…ああ、でも気付かなくてごめんなさい六道さん」
よくわからない台詞もいくつか聞こえた気がしたが、綱吉は骸がしんどさのあまりやけになって喋っているのだと思い込んだ。
吐くまで我慢することないのに…。
「いえ…いいんです、君のせいなどではないんです… でも絶淫絶触だなんて、今更そんなこと言うだなんて、あんまりです…」
あんまりなのは骸の文字変換なのだが、いかんせん発音が同じなので綱吉にその漢字が伝わる事は無い。
「六道さんがそんなに(食事が)好きだとは思いませんでした…なるべくはやく状態を落ち着けて、またこの指示を取り下げるようにしますので」
「ほんとですか。ほんとですか綱吉君」
もともと高校が同じだった彼に名前で呼ばれると調子がくるう。ここは仕事場だが、学生時代に戻ったような気分になる。
「ふぅ…、うん、ほんとだよ骸さん。だけどそれまではちょっと我慢してね、また気分が悪くなったら言うんだよ」
「はい……ッ、はい…ッ!!綱吉君!!僕待ちますよ、君が約束してくれるなら!!」
「あはは、大げさだなぁ、そんないつまでも絶飲食になんてしないから大丈夫だよ」
からからと笑う綱吉に、つられたように嬉しそうに骸も笑う。
「ですよねぇ〜!ずっと絶淫触だなんて枯れてしまいます」
綱吉が全く身に覚えのないおそろしい約束を骸と取り交わしたという事を思い知るのは、もう少し後になってからである。
<かきにげ>
わかった、自分が書いてる文のジャンルはコントなのだとわかった!
「これだけ」が多すぎる ..No.35
↓サイトをつくるときに書いていたおぼえがき
********
エロを書くときに
テーマ、普遍的信念、これだけは念頭においておきたいことは
→むせかえるような快楽
+単純なことでも、書き方ひとつでエロくなるということ
+息ができないほどに感じさせる
+攻めるほうも、ちゃんと悦楽に浸らせる
+第三者視点で 一人称だと、たいていは萎える(うまい人が書くと更にエロくできる)
+エロはそれ単体でも楽しめるようにすべきである
+見落としている二人の営みがないか?!意識の穴をつくような間の行為にこそ本当にエロがある!
+どのエロも一緒じゃん、みたいなのはやめたいなぁ シチュ変えても同じように見えるエロはいくない
相当の力がないと、エロとシリアスは一緒に書くべきではない なぜなら自分の場合、表現したい方向性が一致しないからだ(自分にとってのエロの表現目的と、シリアスの表現目的)
一致させようとすると、それは自分のスキな人がかいた話の二番煎じになってしまうから危険なのだー
*********
どんだけぇー!
チェロケースのファスナー ..No.30
ただいま実家に帰省しておりまして(夏休みにつき)、
妹の部屋で妹のパソ使ってぽしょぽしょと「貴女」の最後を打ってました。
でも、「チェロケースのファスナー」の「ファスナー」の単語が思い浮かばず。
私「なぁなぁ、ジッパーってなんて云うっけ、ほら、何か他に呼び方なかったっけ」
妹「あ、あんた、何書いてんの……!!」
私「違ッ?!そんな変なモン書いてないよ!!!いいからほら、何かなかったっけ」
妹「だっておねーちゃん、ジッパーってズボンのジッパーみたいな…!!」
何だ何だ!それじゃあ私が、ジッパーをおろす何かを書いてるってカンチガイされてるのか!!
今回は違う!!
私(吹き出す)「ちげえよ!だからそういうのじゃないから!!」
妹「えー…、じゃあ、………チャック?」
私「な なんか違う!チャックって何か、何か違うよ!!何だっけほら…、ファスナー!!ファスナーだ!!」
妹「ああ…、」
断じて、ジッパーじゃないよ
思いつくままに、キャラクターを楽器にたとえてみる(楽器そのもの、もしくは楽器演奏者) ..No.29
骸 →チェロ:管楽器よりは弦楽器のイメージ(ひらける感じの音というより、エレガントに伸びる感じというか ぶっちゃけると取り澄ました感じというか)。更に、弦楽器の中でも個人的に雰囲気がmostエロいのはチェロ(ボリュームと艶のある中低音ていうのは、えろいよ しかも低くて不穏な音も出せる)だから、ただそれだけの理由で骸さんはチェロです
イーピン→ピッコロ:高い音域でテクニカルに軽やかに舞う音のイメージ しかもちーっちゃい! 見た目も音も可愛いけれど、高い音は強く吹かないと十分な音量が出せないため意外にも呼吸的にパワーがいる
了平→シンバル:音程とかほとんど気にしない、ひたすら叩く叩く!な打楽器系の中でも、テクニカルなドラムは敢えて避ける。ティンパニや大太鼓も考えたが、それよりは出番が少ないわりにものすごいインパクトなシンバルのほうが、らしい(困難な状況に一喝的な)。
雲雀→ヴィオラ:楽譜はハ音記号だし関係者でないとバイオリンとの見分けが難しくて何だか扱いにくそうなイメージ。
しかしながら外見と楽器名の語感は美しい。管楽器よりは弦楽器のイメージ。コンバスほど地味でもなく、かといってバイオリンほど明るいアイドル感はない、麗しさのイメージが先行しチェロほどのエロ狡猾さではない(少し天然)。弾きようによってはバイオレンスな音に。
獄寺→本編の彼はピアノをやってた坊ちゃんだが、今の彼からはオーケストラだとかいうイメージが湧かない。
吹奏楽というわけではないが、サックスのイメージ。大人数よりも少人数で。指揮者もほしくない。
リードは吹きにくいかと思いきや、けっこう吹きやすい(ある意味くみしやすい)。
ハル→なぜかクラリネット。木管楽器(の中でも、ちゃんと今でも木を使ってる木管楽器)のイメージ。童話的な、平和的なイメージ。たて笛的なクラリネットをぽーぽー、なイメージ。そうじゃないなら木琴とかトライアングルとか、ウインドチャイムとか可愛らしいパーカッションのイメージ。
でもオーケストラというよりは吹奏楽のイメージなので、金管だけどユーフォニウムとかでもいいかんじ。
京子→ツナの想いがなかなか届いてないフルート。勝手に乙女的な幻想を抱かれるフルート。しかし実際思いのままに吹こうと思ったら、大変。
この思いのつまった息は具体的にどこに向けてどうやって入れたらそんな素敵な音が出るんですか?スカってしまうんですけど でもいいの、フルートを持てるだけで幸せなんです的な。
レヴィ・ア・タン→コントラバス。ひたすらに低音の分をわきまえてバスに徹する。ときたまハァハァして憧れのメロディを弾いてみたかったりするけど、そんなんは許されない。想いは秘めますボス。ほかの弦楽器の人に「譜面簡単そうでいいですよね、低音は」なんて、低音でどれだけパワーがいるかも知らずにいわれてコンチクショーと思っても言い返せない、そんなレヴィ・ア・たん。(別にこの人好きじゃないです)
ランボ→年齢制限してるのにいつのまにか会場に居て、大騒ぎしだす子供。
リボーン→作曲家。指揮者ではない。指揮者の譜面を、全てのパートの振り分けとバランスと調和、メロディをつくり、実際の演奏には影も形も姿を現さない。でも音楽は彼の思いのままに。
綱吉→指揮者。やたらチェロやヴィオラにガンとばされて(ると思ってる)ビビりながら指揮をしている。絶対自分に指揮なんて無理だと未だに思っているが、作曲家に楽譜を押し付けられて指揮を強要させられるので断ることができない。木管(クラ、フルート)に癒される。コンバスとはほとんど話したことは無い。
花瓶 ..No.27
「どうして理解できないんですか、この美学が!!」
逆上したように両手を戦慄かせて叫ぶ骸に、しかし綱吉は首を横に振って退くのみだった。
「いや、ほんとごめんなさい。無理です」
「毒々しい色は好まないだろうと思って、あえて可憐な薄桃色にしたのに!」
「いや、もうそういう問題じゃないから、ホントに。勘弁してください」
1000歩譲って、これが女装の服だとか下着の話だとかいうならわかる(本当はこれも判りたくない)。
しかしながら、骸の要求している内容がもはや綱吉の世界を超えていた。
「何ですか君は…ッ、”お互いもう少し歩み寄ろう”なんていっておいて、僕がちょっと気を許してお願いしたらこれだ!!嘘八千もいいところだ!!」
綱吉を彼方に追いやって全生命をかけて被害者ヅラしている骸に、ヒクリと綱吉は表情をヒクつかせた。
「…じゃあお前も少しは歩み寄れやァア!!!何が楽しくて俺が尻の穴に花とか挿さなきゃいけないんだよ!!」
「あるんですよそういうのが!!僕は君が、ソフトでもSMは嫌だって言うから、もう少しラクそうなものを選んであげたのに!!」
「意味がわからないよ!!それはそれでものすごい苦痛だよ!!何が楽しいの?!」
「楽しいよ!!!」
全力で抵抗しようとする綱吉に、骸も全力で返した。
だからこっちは楽しくねぇよ!!!
…理解できなかった。
******
そういえばこの前実家で、妹のパソでUSBを開いたとき、
「えっちなメイドさん」というどう頑張っても言い逃れのできない薄い本のデータフォルダを妹に目撃されてしまった。
「おねーちゃん…これ……」
と、激しく呆れた声音(もしくは吐瀉物でも見るような声音)で呟かれた。
「や、やー!ちょっと友達に送るためにデータ移してて!」
何のフォローにもならなかった。こんな痛いおねーちゃんでごめん。でもあんた前から知ってるじゃんか。大丈夫大丈夫!
骸先生とツナ先生同居 小ネタ
例によっていつものデパートへの買出し、既に休日の恒例と化しつつあった。
勝手にカゴに「それはボディクリームとかじゃなくてシャンプーなんですか?」みたいな、綱吉が見たこともないような海外のシャンプーやらトリートメントやらが入れられている。
「……ねぇ骸さん」
「なんですか?」
ご機嫌な様子でふんふんと棚を物色する骸に、綱吉が半眼で問いかけた。
「これどこにあったの」
「そこですけど」
指差された先を見ると、シャンプーだけで1900円。
「…ちょっと。ちょっと?!」
「なっ、なんですかちょっ…、あっ、何勝手に戻してるんですか綱吉君!!」
「たかいよ!!たかがシャンプーごときでなんで2000円近くも出さなきゃいけないの!!」
「いいじゃないですかちょっとくらい、どうせ君だって使うんですし」
「だからだろーが!俺は別にわざわざあんなんじゃなくてもいいよ!お前変なとこでほんと散財するんだから――」
「君は何でもかんでも安く済ませようとしすぎなんですよ!クオリティってものが大事だっていつも――!!」
他の買い物客(主に若い女性)が好奇の視線を投げてくることも気付かず口論を続ける二人は、
別々のものを使うとか、そういうことは考え付かないのだった。
まじょのたっきゅうびん なツナ
きき→ツナ
架空的じじ→りぼ
とんぼ?→ムック
「こっ、 えッ、 この棒に乗れって?」
「そーだぞ」
「ちゃんと考えてモノ言ってよ!!普通に考えてこんな棒にまたがるのなんて無理だから!無理ですから!!」
「魔女はホウキに乗るものだって昔から決まってるんだぞ。いいからはやく乗れ」
「意味がわからない!ほんと意味がわからないよ!!どうしてこの棒にまたがるだけで何かしらバランスがとれると思うの?!」
「乗らなかったら張り倒して引っ掻く」
「い、イヤだァアア!!やめてぇえ!!その爪ホント痛いんだからマジ勘弁して!俺の皮膚なんて容易に裂けちゃうから!」
「乗るのか、乗らねーのか」
「の…ッ、乗るよぉ!乗りますよぉお!!」
「…おい」
「な……っ、何」
「そんな縋りつくみたいにへっぴり腰で箒にぺったりくっつく奴が何処に居る」
「だって心配だろ?!どう考えても落ちるよ普通に座ったら!もういいじゃん俺はふつうに生きていければそれでいいよー!」
「何やってもダメなおめーが何して生きていけるってんだ、いいからお前は俺が育てるんだから、俺の言うとおりに修行すればいいんだぞ」
「うっうっ……、なんだって魔女なんか… 魔女なんて部屋の奥にこもって薬でも作ってればいいんだよ」
「薬の知識もねーくせによく言えるな」
「うう……っ」
故郷から出る事のできない魔女
*****
「君、魔女なんですって?クフフ、飛び方を詳しく教えてくれませんか」
「ごめんなさい無理です」
「別に箒を使った飛び方でなくても結構ですよ、飛ぶったって色々あるでしょう」
「おいツナ、こんな変態に構うこたねーぞ。変な風にキメてトリップしてんのはコイツの方だ」
「え、な、何、さっきから何の話なの」
やたらいかがわしい自転車少年
*****
「ぬいぐるみを見つけてくれた人がね、俺をモデルに絵を描きたいって!」
「ヌードか?」
「んなわけないだろ!!」
「じゃ、脱いでそこにラクに座ってくれる」
「……え っ 」
まじですか
素でとんでもない事を要求する 自然体すぎる傍若無人絵描き(雲の人)
*****
「僕の家のパーティーに来てくれませんか、
乱交パーティーっていうんですけど(※正…飛行パーティー)」
(いやいやいやいや、何言ってんだこいつ)
「真面目な集まりなんですよ」
真面目っていう言葉の意味からして考えさせられた
*****
「あんな女の何処がいいんですか綱吉君、
君自分ばかり凡人ぶって月並みな女を好んでますがね、
正直言って君はそんな人間ではないでしょう。
その証拠に君、何人の人間と”なんとなく”別れられてしまうことになったり交際を断られたと思ってるんです。
だから僕はいつも言ってるでしょう、ちゃんと己とその周りを見つめなさいと。
自分が頭に描いて望むような存在が、自分に合うとは決して限らないのですよ。
こうやって君のことを考えて世話をやく人間が他にいますか?結局最終的に一緒になるというのは…」
「うん、判ったからちょっと黙っておいてくれないかな」
だからたった今その失恋後とやらなんだよ
○○回目の落胆後 と あまりに過干渉な幼馴染
サアアア、と雨の降り続く外に頬杖をつきながら、
限りなく力を抜いたように骸が呟いた。
「僕は僕の好きなように生きたいんです、綱吉君」
「既に好き勝手に生きてるんじゃないの」
間髪いれずに横から飛び込んできた言葉に、ゆるゆると骸は首を振った。
違うと。 …よく言う。
薄暗い外のほのあかるい明るさのみで、トーンの落ちた部屋には雨の静かな音のみが響いていた。
梨でも食べようと綱吉がダイニングにやってきたら、既に骸が座って外を眺めるともなく眺めていた。
「骸さんでも、好きなように生きれてないの?」
むいた梨をシャク、とかじる。
「そうですよ、僕でも」
すると横から手が伸びてきて、遠慮もなしに勝手にカットした梨を持っていく。
ずっと外ばっか見てるから、気付いてないと思ってたのに。
持っていくもんはしっかり持ってくなぁ。
「たとえば雨に濡れたまま外を好きに歩き回りたいと思うでしょう。
でも風邪をひいていたら歩くことも大変で、
濡れた服で家に帰るのも面倒だから結局傘を使ってしまう。
あるいは、裸足で地面を歩きたくても、
足がぼろぼろになるかもしれないし傷つくかもしれない。
実際、歩いて心地のいい地面なんて外にそうそうありません」
そうだねと相槌をうつのも何だかしらじらしかったので、綱吉は梨を控えめにしゃくしゃくしたまま二度ほど頷いた。
だって、相手が言っている言葉の意味の半分ほども判らなかったような気がしたから。
しかし相手はお構いなしに、むしろ判らないことを知っていたかのように、続けた。
「僕はね綱吉君、何の防御や装具もなしに君と真正面から向き合う事が未だに出来ないでいるんですよ」
「実をいうと俺もなんか骸さんが怖くて身構えてたりするよ」
素直に綱吉がポロッと漏らすと、骸はクフフ…、と肩を揺らした。
「それは一体どういう意味ですか、まぁ捕って喰うつもりが無いといえば嘘になりますがね」
同様に何のオブラートもなく放られた言葉に、ぶるっと小さく身震いする。
こわっ。そんな物騒すぎる意味で言ったんじゃないのに。
「でも本当は、もっと力を抜いて向き合いたいとは思ってるんですよ。
ああ…いや、元々の僕を考えればこの状態も信じられないほどリラックスしてはいるんですがね」
「そうなんだ」
呟いて、綱吉も同じように外を眺めた。
彼があまり目を合わせないのは、そのほうが落ち着いて話せるからだろうか。
常と違う本当の内面を話すのは、たしかに落ち着かない。
「雨の所為でしょうかね、不思議と落ち着いた気分で素直に話せます」
「何、骸さん今まで落ち着いた気分じゃなかったの」
梨はもう最後の一個。相手が取る気配がなかったので、綱吉はもらうことにした。
「そうですね。いつも少し緊張している。何を恐れているのか知らないけれど」
「ああー…、あれって、俺に怒ってたんじゃなかったんだ」
いつも話すときに微妙にぴりぴりした空気を感じていたのは、こちらに不満を抱いていたからではなかったのか。
「そう取られてましたか。確かにたまにイラつくときもありますけどね」
梨をしゃくしゃくする動きがとまる。こわっ。やっぱりイラつかれてたんか。
「……ごめん」
消え入るような声で呟くと、「それは僕が勝手にイラついてるだけで、何も君が謝ることじゃない。君のせいじゃない」と笑われた。フォローになってるんだかなってないんだか。
「じゃあ今日の骸さんは珍しい骸さんなんだね」
「そうですね。気分がいいからかもしれません。雨は、好きです。この空間も。」
「俺は晴れてるほうが好きだけど、こういうのも平和な感じでいいね」
両手で頬杖をついてまどろむように呟くと、
微かに吐息で笑うのが聞こえた。
「ああ、平和、なるほどね」
「そうかもしれませんね」
骸さんと平和っていう言葉がえらくミスマッチな気がした。
…あ、だから笑われたのか。
でも、骸さんの平和、なぁー…。
「…自分の好きな平和ってけっこう難しいのかな」
聞くでもなく呟くと、
「虹と一緒ですよ。その場にいる者には見えないのに、遠くにいる者の目にばかり映える」
またもや半分ぐらいしか判らなかったので、綱吉は二度ほど頷いた。
じゃあ骸さんは、誰かの虹ばかりが見えていたということだろうか。
自分の虹はわからないって、骸さんは知っていたんだろうか?
よくわからなかったから、とりあえずテーブルに頭をのっけて雨を眺めた。
でも気になったから一つだけ。
「骸さんは、虹が見える?」
「いいえ、見る必要がありません」
はっきりと、機嫌のよさそうな声。
それならいいや。
「綱吉君は?」
「見えるなら見えててもいいと思うけど、気にならないよ」
「君はそういう人ですね」
またかすかに笑われた。
笑ってばっかりだ、この人は。
雨は変わらず降り注いでいる。雨音がこんなに心地好いとは知らなかった。
前にも後ろにも進まず、本当に時間がゆっくりになって止まってるんじゃないかと思った。
<終>
******
「墓場の棺なんて本当は要らないんですよ綱吉君、
あんなものは形式ばかりで、墓なんて遠いばかりじゃないですか。
沢山の人間が好きなように訪れる、そんなのは僕の気にくわない。
ねぇ綱吉君、だから、君の棺も墓もちゃんと作りますけれど、
中身だけは僕のもとに置いておいてもいいですか」
そんな物騒なことを、
縋るような声音で告げられても。
たいした言葉がいえなかったので、
「好きにしたらいいよ」とだけ言った。
すると相手はたいそう素直な顔で笑った。
ヤンデレ骸
「いい加減にしなさい、君は」
秀麗な眉を壮絶に寄せて、骸は綱吉の前で威圧的に腕を組んだままだ。
「………」
綱吉の握った拳は土にまみれており、腕と足には無数の擦り傷が痛々しく朱を肌に馳せている。軽い満身創痍。
中途半端な擦り傷は灼けつくようなヒリつきをもたらすが、そんな身体の痛みよりもどうしようもない自分の力の無さと虚しさに痛みを感じていた。
しばしの沈黙状態が続く。
ため息を吐いたのは、骸だった。
そのため息すらも、どうしようもなく重く綱吉の内に落とされる。
「…自分の能力も十分に測れない人間が、自己犠牲的な行動をとって勝手に自己満足を覚えて、結果ただの犠牲だけを払って何も出来てなかったという行為が、どれだけ愚かか判ってるんですか」
ピリピリした空気がやまない。相当、これは怒っている。
たしかに、そう思われても仕方ない。
けれど。
自己満足というのは、違う。
綱吉はごくりと小さく唾をのみこんだ。
「…別に、自己満足とか関係ないよ。ただ身体が勝手に動いただけだったんだ」
目の前で猫が轢かれそうになって、気付いたら走っていた。
こちらの疾走に吃驚した猫がさらに向こうの車道に向かって走っていって。
ダメだ、そっちに行ったら――!!と思った瞬間、足をとられて自分が車道に転がっていて。
痛いと思う間も、
声をあげる間もなく目を見開いた瞬間、
地面が崩壊した、
幻覚を見た。
気がついたら、
脇の電柱に衝突してぐしゃりと助手席側がつぶれた車と、
遠くから聞こえる救急車の音と、周りの人の喧騒と、
向こうの車道に中身と赤い血を撒き散らした、
さっきの、
そして、少し遠くで腕を組んでいる、ひどく苦い顔をした、彼が。
おそらく車の運転者がメインに幻覚を見せられたのだ、
いきなり割れた地面を避けようとしてがむしゃらにハンドルを切ったあとが、生々しくアスファルトに残っていた。
「自分の存在を、どれだけ矮小なものに思ってるか知りませんがね綱吉君」
強い力で、グイ、と顎をひかれる。
切れた唇の端が引き攣れて痛い。
「自分の価値を無いものとして考える人間が投げ出した命なんかで救われる何かがあるなんて、僕は思いませんよ。」
引き結んだ唇の端の血を、親指で強く拭う。
だから、
痛い。って。
そりゃお前の言う事は判るよ、でも。
俺は自分の価値についてちゃんと考えたことなんてなかったんだよ。
言葉を発さぬ綱吉に、顔を詰めてさらに畳み掛けるように骸は言葉を重ねる。
「自分はどうなってもいい、なんていう考えほど愚かしく甘いものも無い」
「許しませんよ綱吉君」
「僕が君をなくさまいとして本気で助けた君自身が、自分の価値を無にするような事をするのは、どうでもいいと思うのは、
絶対に、許さない」
…ああ、
ああ、そうか。
綱吉はほうけたように肩の力を抜いた。
「…うん、判った」
おかげで判ったよ、俺は
素直な言葉に、一瞬骸の表情から剣が消える。
「綱吉く…」
「そうだったんだ、俺、自分のこと結構どうでもいいって思ってたのかも」
「だから…!」
やはり通じないかと、骸が顔をゆがめる。
しかし綱吉はゆるく首を横に振った。
「でもそれって、その人のこと大事に思ってる人にとっては、かなりムカつくことだったんだなー…そういえば、俺まえ自分を犠牲にしようとしてた獄寺君に怒った事があったよ」
その人だけで終わる問題じゃ、ないんだよなぁ。
顎をとられてうまく動かせない頭を、僅かに動かして下げた。
「…ごめん、ありがとうな、骸」
しばらく視線を下にしてじっとしていると、ふいに顎から手が外れた。
「…何も、他の人間の名前をわざわざ出す必要ないんじゃないですか」
さっきみたいに怒りに張り詰めた声じゃ、なかった。
思わず笑って、
ハハ、それもそうかも、ごめん と言うと、
とりあえず、僕の寿命を縮めるような真似は今後止して下さいと言われた。
殺したって死にそうにない男がそれを言うものだから、
おかしくってまた笑った。
<終>
******
ツンデレ骸:「もう、ゼッタイに許してやんないんだから!もっと自分を大事にしなさいよね!!」
同居話(せんせいネタ)
彼の言葉は常に回りくどく、まるで違う次元で話をされているような錯覚を綱吉はいつも覚える。
さらっと一見上品に告げられる言葉も、よく考えなくても中身はかなりエグかったりする。
要領を得ないこちらが困ったように色々聞き返すと、益益楽しそうに話をまぜっかえす。クフフとか笑うのはもういいから判りやすく物事を伝えてくれ。
「きみはこの世界の時間が何によって決められているか知ってますか?」
とか、もう一体何の意図で何の話をしたくて始めたんだか意味がわからない。その割に話の結論は”なんでそっちにいくの”みたいな結論だった。
僕との時間をもうちょっと君は考えるべきだとか(←結論)、意味がわからない。
もともと日本語には比喩表現がかなり多い(7割?)と聞いた事があるが、彼奴の会話は9割ぐらい暗喩で出来ているんじゃなかろうか。
「…もったいぶった言い方好きだよな、あいつ。でもさ、だからってさ」
残された書置きを、疲れた顔で見る。
『お気に入りの人間のお気に入りを口腔から摂るというのは、
なかなか艶があると思いませんか』
「…知るか」
冷蔵庫を覗いたら、楽しみにしていたバニラビーンズ入りのシュークリームが消えていた。
(かんたん設定:
ツナ→養護教諭
骸→高校教諭 ふたりは同居してる)
(ほのぼの)
一日が終わり、もともとは一人で住んでた部屋の鍵をあける。
ムダに靴を持っているもう一人のヌシのおかげで、窮屈そうな下駄箱の横をすりぬけて肩を揉み揉み綱吉は家に入った。
何も電気がついていない事が、相方が帰宅していないことを伝えていた。
「ふー…、」
ただいまー。心の中で呟きながら台所の方へ赴く。
電気もつけずに冷蔵庫をあけて、適当に目についたジュースのペットボトルをそのままあおる。
そっか。まだ骸さんは帰ってきてないわけだ。
面倒だなぁ、と思いながらのろのろと綱吉はリビングの方へ行く。
彼が先に帰ってきていれば、意外なほどにマメな(一部の周りが”恐ろしいほど甲斐甲斐しい”と噂している事を綱吉は知らない)骸が風呂もわかしてご飯も用意してくれている。こんなところでも、何かにつけ仕事がはやい。
最初こそ多少ひいていたが、最近では慣れて感謝こそすれ。
しかし帰ってきていない部屋は、とうぜんものも言わず真っ暗で何にもなくて。
「…先に寝てたらダメかな」
ちょっと反則かな、と思ってからふるふると首を横に振った。
以前それをやったら何か勝手に妙な事された。ダメだ。寝たらダメだ。
意識ないときのわい○つ行為、よくない。
うだうだしながらリビングの電気をつける。
あれ、なんかちょっといいにおいがする、と鼻をひくつかせた綱吉の目に入ったのは、
テーブルにのったお食事。
「………あれ」
近づくと、その傍のソファでリラックスした猫みたいに肢体を横たえているかの人がいた。
「…骸さん…」
ふっと肩の力が抜けたと同時に、綱吉はその場に膝をついた。
なんだ。いたんだ。
ソファの一部に頬杖をつく。よく寝ちゃって、まぁ。
ごはんつくって寝る余裕もあったなんてすごいっていうか何ていうか。
「…おかえり、骸さん」
今かえってきたのは自分なのだけど、不思議とそんな言葉が出た。
おかえり、おつかれ、ありがと。な。
まったりした気持ちでサラ、と流れる前髪を梳くと、
「わああっ!!?」
ずだぁあん、という盛大な音とともに綱吉は床に転がっていた。
その綱吉に覆いかぶさるようにして骸が心底驚いたような顔をして影を落としている。
「び、びっくりした!綱吉君ですか!!」
「びっ、びっくりしたのはこっちだよ!何、俺なんかそんなダメなことした?!」
いきなりひっくり返されるような事をした覚えはない。
しかもひっくり返しておきながら、当の本人のほうが驚いた顔をしている。もうこっちは何に驚けばいいのかわからない。
「い、いえ……、す、すみません…。つい昔のクセで」
フフ、と茶目っ気すら見せて照れたように笑う。
いや、そんな少女のようにはにかまれても。何だ、昔のクセって。昔何してたんだこの人。
「いや、うん…、俺もごめん、いきなり何か触って?ごめん」
寝てるときにちょっと触るのってそんなにダメかなぁ、と首を傾げながらも謝ると、骸は慌てて首を横に振った。
「いえいえ!どんどん触ってかまわないんですよ!ホラ!!」
「い、いいです!!いいよ!いいから!ちっ、近づかなくていいからいい加減のこう!俺の上からのこう骸さん!!」
「冷めたご飯はまたレンジにかければあったまりますし熱くなれば勝手に冷めますが、人間はそうはいかないんですよ綱吉君」
「もうそういう比喩はいいよ!ご飯食べたいんだよ俺は!!」
「僕もいいかげんお腹がすいて涎がとまらなくなってきたところです」
「そりゃよかったなぁご飯食べやすいよきっと!ちょっと!もしもし!!」
力の限り抵抗するが、腕がプルプルするばかりでジリジリ奴がせまってくる。
「30分あれば済みますから、いえ、20分でも大丈夫です!ご飯の時間より少ないです!」
「大丈夫なのはお前だけだ!!ちょっ、こォーら!!ぎゃあっ!」
スルリと下着の中にひんやりした手が忍び込んできて、綱吉は足をじたばたさせる。
「もう、綱吉君たら色気がないですねぇ。まぁそれを陥落させるのが楽しいんですけど」
双眸をぬらりと光らせて骸が口の端をあげてクフフと笑う。
うわ、目が笑ってない。
綱吉はひくついたように笑った。
こうなったら何を言っても無駄である。それならいっそのこと、本人の言ったように、
「…20分な、骸さん」
「ハイ!!」
バタリと四肢を床に投げ出した綱吉に、骸が嬉々としていいおへんじをする。
観念したように綱吉は目をとじた。
わかってるのだ、20分なんかじゃ終わらないことくらい。
…胃が荒れたら、こいつのせいだ。
(おわり)
*****