発作的小ねた集 いち
※基本的にアホです

 

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■大規模水害の援助活動(保健師国家試験:状況設定問題ヨリ)■
保健師:骸 (災害復興)ボランティア:綱吉
(被災者:スクアーロ)

状況の要約:とある町で台風の影響で大雨による大規模な水害が発生した。
町内の浸水面積が6割に及び、床上浸水の世帯も多数あったが、2日目には水が引き始め、4日目にはほとんどの地域で片付けが開始された。

「これは、どうしましょうか?」
片付け作業をボランティアとして手伝っている綱吉が、被災者の人に少し水に浸かった衣服を持ち上げた。
「もうそんなもんいらねーぞぉおお!少しでも水に浸かったモンは全部捨てろぉお!!」
銀の長髪をまとめて三角頭巾を被ったその男は、ひどい剣幕で綱吉を怒鳴りつけるように声をあげる。
ひゃ、思わず肩をあげて綱吉は固まった。
さっきからずっとこの調子だった。
少しでも水につかったものは捨てろと。ずいぶん投げやりな事を言う。
(ちょっと乾かせば使えそうなのに、こんな服とか……)
どうやら被災による家屋などの損害・消失に重なって、こんな大変な後片付けや不自由な生活が続いているためか相当ストレスが溜まっているようである。(しかしながらあの男はああいった喋り方がデフォルトである事を彼は知らない)
このままだと家に残っているものほとんどを捨てかねない…、逡巡した綱吉は、保健師のところへ相談に行った。


「すいません、あの、俺ボランティアに来てる人間なんですけど」
「ああ、ありがとうございます、君ですね。本当に助かりますよ」
まだ若い男性のその保健師は、被災地にある此処で優雅ともいえる笑みを浮かべて振り返った。
「飲み物ならあるんですけど。飲みますか」
「い、いえ。そうでなくて」
どうしてこの男はこの状況で、いつも人に何か施せる余裕があるのか、毎回疑問である。
しかも手にしてるのは先程口をつけていた飲みかけの飲み物ではないか…とチラッと思って、考えないようにした。
「あの、今片付けを手伝っている家の人がですね、少しでも水に浸かったものは捨てろって、かなり苛立ってる様子なんですけど…どうしましょう」
今はイライラしていても、後になって冷静になれば「あのとき捨てていなければ」と思うこともあるかもしれない。
言われるままに何もかも人のものをほいほい捨てるのに、綱吉は抵抗があったのだ。後悔しそうだから、自分も、その人も。
保健師さんが言ってくれたら、何かよくなるかもしれない。
そう思って、相談に来たのだが。
六道 骸と名乗るその男は、その相談を聞いてにこやかに頷いた。
「では言われる前に捨てましょう」


「ェエエエ?!!あ、アンタ、鬼だァアア!!」
言われる前に捨てちゃうの?!それ気でもきかせてるつもりなの?!
それひどいだろ!!と綱吉が盛大にビビっていると、さも当然であるかのように骸は肩を竦めた。
「どうしてですか。いっそ心のわだかまりを全てモノと一緒に葬ってしまえばいいんですよ、何も残さなければいい」
「いいわけないだろ!!駄目だよそんなの!!」
「そんなことより綱吉君、もう時間も遅くなってきてますからこちらに来ませんか。静かな寝床を確保してるんですよ」
「今わかった!アンタ話通じる人じゃないわ!もういいよ!!」
こんな奴に相談に来たのが間違いだった、と息巻いて戻っていく綱吉に、「あーあ、つれないですね」とひそやかに口角を上げる保健師がいた。

 

 

*補足:この場合の問題の、実際にあった選択肢*
1.「被災者の言うとおりにしてください」
2.「言われる前に捨てましょう」→鬼や!(爆笑)
3.「捨てるかどうか後で決めるように言いましょう」→これが正解
4.「判断はおまかせします」

かなり鬼畜(サディスティック)な選択肢だった 吹いた


ちなみに、解説に本当にあった文章
[2]は問題外である。


問題外言われてるよナッポー!!


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■ものもらいつぶす先生骸■
眼科医:骸と、外来患者:綱吉


「ものもらいですね」
「はあ」
診察室でカルテに何かを書き込むその医師を、綱吉は不安そうな目で見つめていた。
片目は、痒みと腫れのためにふくれて、壮絶な異物感を綱吉にもたらしていた。
うまく開けることができない。痒くてかいてたら、どんどん腫れがひどくなって、こんなことに。
もうどうにもならなくなって、眼科を受診した。
すると、特徴的な髪型をした(多分もう忘れられない)医師は簡単に診察した後ものもらいだと告げた。
「これはちょっと潰さないと…」
「つ 潰す??!!んですかッ?!」
綱吉の肩が跳ね上がる。
カルテに書き終えたその医師は、こちらを向き直ってにこりと微笑んだ。
オシャレなのか元々なのか、赤と青に分かれた綺麗なオッドアイが微笑みに隠れる。
「大丈夫、簡単な処置で、水疱をつくっている部分に針を刺して潰すだけです」
「は、針を!!!さして!!つぶす!!!」
医師の微笑みは綱吉には何の癒しももたらされず、むしろ恐怖を助長させた。
綱吉の脳内には、眼球に針をぶっさす、みたいなグロテスクな映像が浮かんでいた。
カタカタと胸の前で握りこぶしを白くなるほど震わせる。
涙がじわあ、と滲み出てきた。
「こ こわい……!!!んですけど…!!」
思わず本音が出た綱吉に、キャスターつき椅子ごと医師が近づいた。
「そんなに怖がらないで。麻酔の点眼をしますから痛くないですよ」
「は…ッ、はい、そうですね、すみません、でも、こ、…っ」
(針刺される!目に針刺される!!!コワイよーー!)
カタカタと身を震わす綱吉の肩にそっと手をおいて、医師はにこりと微笑んで(これがこの人のデフォルトの顔なのだろうか)、大丈夫というふうに頷いた。
そして、傍にいた看護師にチラと目配せして短く何事か告げる。
速やかに看護師が戻ってきて、「じゃあ麻酔の目薬をさしますので上を向いて目をあけてくださいね」と告げられる。
ぽたりと目薬をさされれば、滅菌済の針を片手にした医師が近くに寄ってきた。
「はい、じゃあちょっと目を開けててくださいね」
ぐい、となかば無理矢理じみた力で目をひらかれる。こんなんじゃ閉じたくても閉じれない。
あ、ああ、今だけ視力がなくなればいいのに、と綱吉は天井を見つめた。
視界を逸らしたいのに、どうしたってその医師と針はおぼろげながら視界に入ってくる。
照明に鈍くギラギラ光る針先が、眼球に近づいてくる(殊更ゆっくりゆっくり近づいてるような気がするのは、気のせいだろうか)。おそらく正確には、瞼の裏に?
(ひぃいいいいい!!かーさんとーさんんん!!!!)
思わず医師の白衣の裾をぎゅうう、と握ると、視界の端で医師が、目の笑っていない別の笑みを漏らしたような気がした。


処置は確かに簡単なものですぐ終了したが、綱吉は息をついていた。
精神的疲労が激しすぎた。針さされるのに正気で目を開けとけとか、何の拷問かと思った。
はぁあ、とため息が聞こえた気がして、あれ、先生に悪いことしたかなとそちらを伺ったら、
(こ、怖いこの人……ッ!)
針を処理しながら恍惚とした笑みを一人浮かべていた。
さっきのため息は、もしかして感極まって出た何かなのか?!
「クフフ…、ああ、たの… いえ、あ、もうこれで大丈夫ですよ沢田さん、あとは抗菌のための点眼薬を出しておきますからね」
「は、はい」
(今”楽しかった”って言おうとしてなかった?!心の底から!!!)
「これ僕の名刺ですから。また何かあったらここに連絡を。緊急で診ますから」
「あ、ど、どうも」
名刺を渡されて、綱吉は首をひねった。医師ってこんなことするもんだろうか?
「あの、俺実はひどかったんですか」
何か今後急変が起こる可能性があって、そのときに緊急で診てもらわないといけないようなものだったんだろうか?
「いえいえ、ちょっとしたサービスですよ。ここは眼科専門のクリニックで勤務時間が固定してるから、逆に対応しやすいんです」
ニコリと微笑みながら告げる医師に、はーそんなもんなのか…と綱吉は頷いた。
「じゃあ、ありがとうございました」
「ええ、また」
扉を完全に閉めてからも何か視線を感じるようで、綱吉はブルリと名刺片手に背筋を震わせた。

*奴の”サービス”は危険だ*

ところでつぶされるのは本当にチビりそうでした


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■拘禁反応■

「拘禁反応:強制的に拘禁されるというストレスに反応し発症する心因反応で、妄想・幻覚等を来すものをいう」

〜綱吉の場合〜
個室のベッドに骸によって縛り付けられている監禁状態で、綱吉は暴れるのも疲れてぐったりとしていた。
「もうだめだ…、いつになったら出れるんだろうここ……腕いたい…今何日だよ」
がちゃり、ドアから現れる人影が。
「クフフ、ご飯を持ってきましたよ」
「わっ…、うわあああ!何か変な人が出てきたぁあ!骸さんが見えるなんて!」
「失礼な。僕を勝手に実在しない人物にしないでくれますか。ほら綱吉君」
「よっ、寄るなー!」


〜骸の場合〜
個室のベッドに綱吉によって強制的に縛り付けられている監禁状態で、相変わらず骸はテンションが高かった。
「クフフ…綱吉君、こんな大胆なことをするとは…何をしてくれるんでしょうね」
方向性のわからない期待感たっぷりに囚われている彼の耳に、ドアの開く音が聞こえた。
「(すんごい小声) …ごはん持ってきましたから…(コソコソ)」
「嗚呼ッ!綱吉君、そんな大胆な格好をして…そうか、そういうプレイなんですね」
「全然大胆じゃないよ!!普段着だよ!!お前には何が見えてるんだよ!!」
「僕は大歓迎ですよ!さあ!!
「さあじゃないよ!何も始まらないよ!!!」


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■アルツハイマーの人の看護■

アルツハイマーの人の看護のポイント:
@人格を尊重し、温かい態度で接する

「俺にはそんなことできないよ…」
「そうですか。あなたのその甘さは長所のひとつですね」
「笑いこらえながら言うのやめてくれるかな骸さん」

A患者の行動に気をくばり、事故を未然に防ぐ

「危ない綱吉君!!」
道を歩いてる綱吉に、いきなり骸がとびこんできた(タックルともいう)。
「危ないのはお前だ!!何の障害物もなかったよ今?!」
「いえ、危なかったですよ…100mほど前方に野球少年がいました」
山本は危なくないよ!!ってかどこから出てきたの?!」
「事故を未然に防ぐためにはいつも尾けていなければと」
尾けてたの?!何その義務感みたいなの!そのほうが何か起こっちゃいけないこと起こりそうだよ!!」

B患者の趣味や好きなレクリエーションなどを一緒にやる

「さぁ、じゃあ導尿カテーテルごっこでもしますか!」
しないよ!!何それ遊びのつもり?!」
「おや、綱吉君はこの遊びが大好きなんじゃなかったでしたっけ」
「無いからそんな事実!」
「わがままですねぇ〜じゃあお風呂ごっこですか?」
「”ごっこ”って何だよ!それ確実に遊びじゃないだろ!」

C名前をよく呼んであげ、物にも名前を書かすとよい

「はい綱吉君、これ」
「え?何これパンツ?」
「そうですよ綱吉君、自分の下着には名前書いておいたほうがいいと思って」
「これ俺の?俺のパンツ?!何で?!」
「ちゃんと布用マーカーも持ってきましたから綱吉君、ほらここに、”つ な よ し”って」
「書かないよ!!!」
「歯ブラシとかコップとかも持ってきたんですよ。綱吉君に名前書いてもらわなきゃと思って」
「いつ俺の部屋に入ったんだよお前!っていうか何?!さっきから何だやたら名前連呼して!」
「そうすることが大事だって…」


「何さっきから骸さん?!気持ちわるいなぁもう!」
「アルツハイマーの人の看護は、なかなか面白いなぁと思いまして」
「俺ボケてないから!!そういうのはそういう人にやってあげて!」
「何ですかッたくノリの悪い子ですねぇ」
「逆ギレしないで!」


つなは結構ノリいいと思うよ骸たん

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