大学生パラレル

  であいK (4)  



※途中、雰囲気が若干甘くてウヘァってなるかもしれないので注意です


ベッドの上に倒れこんでハァフゥ言っている綱吉の下肢を完全にベッド上にあげて、骸自身もギシリと端に膝をかけて上がってきた。
襟元をゆるめてファサっと上半身の衣服を脱ぎ捨てる。
「せっかくだから、綱吉君。素肌どうしでもコミュニケーションとりましょうね」
素肌を露にして、綱吉に骸が覆いかぶさってきた。
頭を両腕で包むようにして、フワ、と綱吉の上半身に自らのそれを重ねる。
(う、うわ…)
柔らかい、とかいうのではなくて、幾分骨ばってはいるけれども。
滑らかな皮膚の感覚が綱吉の皮膚をなでて、思わずうっとりとその心地よさに目元を緩ませる。
ちゅ、と頬にキスを受けてそのまま耳元に唇を寄せられて、くすぐったさに肩があがる。
「ね?気持ちいいでしょう?僕も気持ちいい…」
コクン、と、素直に頷いた。だって、首を横にふれる材料がない。
「クフフ…、素直な子は好きですよ。ね、背中向けてみてください…背中にもくっつかせて」
言われるままに綱吉はうつ伏せになった。
すると、その背中にフワリとこまやかな肌が、重みをもって重ねられる。あたたかい体温が感じられる。
すり、すり、と緩く何度か肌が擦れあって、心地よさにゆっくり綱吉は瞬きした。
「ふぁ…、きもちい…」
「ねぇ綱吉君」
「ん…、」
「こういうのも、悪くないでしょう?」
そっと後頭部の髪を撫でられる。
これは、たしかに、わるくない。
「…うん」
あまり深く考えずに、綱吉は頷いた。
「もうちょっと、先の”気持ちいいこと”も、いいですか?」
流れで、コクリと、綱吉は頷いた。気持ちいいんなら、もういいや。
「いい子ですね」
「っ…?!」
瞬間、ヌルッとした感触が後ろの穴に感じられて、綱吉はビクッと顔を上げた。
鳥肌のような感覚が、アナルからぞわぞわぞわっと拡がっていく。
「な、なに…っ、ヒッ」
「ちゃんと潤いが長めに持続するゼリーですから、ほら綱吉君、力をぬいて。口で息をして」
ゼリーをたっぷり塗りつけながら、綱吉のアナルの中で骸はぐぬぐぬと中指を動かして、ほぐすように拡げていく。
「あ、ハァ…っ、それ…っ、抜いてェ…ッ」
背筋を震わせる異物感に、抵抗しようと身じろぎを試みるが、背中の上から骸に上半身を重ねられているのでほとんど身動きがとれない。
「こういうところをそういう場所でマッサージされた経験は……無いでしょうねぇ」
楽しくてたまらないという風にくつくつと笑って、ぐちぐちいわせながら中を掻きまわす。
「増やしますよ」
「あぐ…っ!」
にるん、と指が後孔の奥に吸い込まれて、更に二本の指がグチャ、グチャッと中で蠢く。
内壁をこするように蠢かせていた一点で、骸がニイと口角を上げた。
「ああ、多分ココですね……」
ぷくりと膨れて弾力のあるソコを集中的に擦り上げられて、綱吉は目を見開いた。
「ぅ ぅあ ぅあああ …ッ!」
前立腺に与えられる刺激によって張り詰めた陰茎が、ベッドと自分の身体に挟まれてひどく苦しい快楽をもたらす。
「あ、あふっ、ど どいて、そこから、や、やめて…後ろ、やめッ、!」
かすれた声を裏返らせて喉をそらせる。
信じられない。なんで、こんな、そこが、イイんだろう?
「クフフ…、既に僕、身体の相性が良さそうな予感がしてるんですけど。ねぇ?」
ぐりゅうう、と押しつぶすように中で指を回された。
「だ、だめぇ…!!そこ、も、…ッ!」
ひぅ、く、と息をのんで目を瞑る。
ぐりぐりと容赦なく与え続けられる刺激によって、強烈な射精感が湧き上がってきて綱吉は脚を突っ張るように動かした。
「ひゃふ ぅう…っ!」
どろぉ。
刺激を与えていない前から白い精液が滴り落ちた。
「あ…、ああぁ…ッ、出…っ、」
「初めてのことばかりですねぇ綱吉君?クフフ…ここまできてコレが初めてじゃなかったら、どうしましょうね」
「へ…?ちょ……ッ!」
未だ快感に震える綱吉の腰を軽く上げて、ヒクつくアナルに陰茎をあてがった。
「む むり…ッ!!!」
「大丈夫ですよ。孔があいてるんですから。ああ…、潤いが足りないと?」
言うやいなや骸は、綱吉の陰茎に未だ滴っている精液をニチュリと指先に絡め取ると、ゆっくりとなぞりあげるように自らの陰茎に絡めた。
「ッフフ…、君の出した淫猥な液が僕のをこんなにして…、今からこれと僕のがグチャグチャに混ざるんですよ。ああ、考えるだけでゾクゾクする…」
薄く震える息を吐くと、骸は綱吉の双丘の間にヌチャリとした陰茎を擦り付けて、たゆたうようにゆっくりと腰を動かす。
ぞろり、ぞろりと双丘を行き来する感覚が、震えるような感覚を綱吉にもたらす。
「ぅ、ぅぁ、あふ…っ、」
アナルがむず痒いような感覚に陥る。先程の前立腺への刺激が、もしかしたらまた得られるかもしれない。
そう思うと、ひとりでに背筋が震えていた。
「あ……、」
縋るように、ゆるく骸の腕に手を伸ばし、かすかな力で掴む。
骸の笑みがいっそう濃くなった。
いとおしむように綱吉の耳元に唇を近付けて、囁く。
「僕、気に入ったものは、とことん相手をして可愛がりたいんです」
グッ、と腰に力がこめられた。



「あッ、あッ、んあッ、はっ、」
骸が先程言ったとおり、綱吉の精液と骸自身のそれ、そしていくらかの血液が混ざり合ってぐぷっ、ぐちゃっ、と室内に響いていた。
は、ふ、と小さく息を吐きながら、骸が肢体をベッドに横たえて揺さぶられるままになっている綱吉を、ぐいと抱き起こす。
中で角度の変わった感覚に、ひぐ、とうめき声が綱吉から漏れる。
「後ろ…、腕、ついてください…、」
腕をつくと、ズンッとさらに奥を突かれた。根元までギチッと入り込んできて、骸自身がよりダイレクトに綱吉の前立腺付近を長くなぞりあげる。
「ア、はぐ…ッ!!ふ、深ァ……っ!!」
「っく、は…、綱吉君…、そんなに、締めないで…」
「だ…って…、ひぃいう……ッ!!」
くちゃ、ぬちゃ、とゆるく回されただけでも、中でヌメつく熱がビリビリするような甘い痺れに変わる。
はーっ、はーーっ、と熱い吐息を漏らす口からは、とめることを忘れたような唾液がとろりと垂れていた。
「も…、だめ、また、いっちゃ……、」
「っふ…、いいですよ、何度でも、達けば」
低く掠れた声で呟いて、3,4回、力をこめて細かく揺らして骸が突き上げると、腕をついてる綱吉の肘がガクンと崩れた。
「あひぃン…ッ!!」
どぴゅううっ、と勢いよく陰茎の先端から再び白い液が飛び出す。
その背がベッドにつく前に腕で抱きとめると、骸はそのままがつんがつんと奥を突いた。
「も、 ヒッ 、ああぁあッ!!ア゛ーーッ!!」
ガクン、と頭を後ろにそらせる綱吉の向かいで、骸は口を引き結び息を詰める。
ギチギチに拡げられたアナルが、それでもヒクヒクと収縮しようとする中で、こぷりと白い精液が逆流して垂れ落ちた―――。






「…………」
骸どころか他の何ものも視界に入れるのを拒否するかのように、綱吉はベッドにうつ伏せに突っ伏していた。
骸はそんな綱吉の横で、綱吉のほうをイソイソと向いて上機嫌に笑っていた。
「ねっ?試してみたら案外よかったでしょう綱吉君?」
(ねっ じゃねぇ。  ねっ  じゃねぇ!)
「……………」
寝ているわけではない。気を失っているわけでもない。
その証拠に、綱吉は心の中で先程から突っ込みを入れていた。しかしあえて相手をしたくない。
これはきっと、事故にでも遭ったようなものなのだ。
遭ってしまったものは仕方ない。もう事故は終わったのだ。
いやー今度から気をつけなきゃねハハハと手を振って帰ればいいだけだ。
そのためには極力、つながりを作ってはいけない。
「クフフ、それにしても思ったより随分具合がよくて吃驚しましたよ、君よかった」
「…………」
「ね。綱吉君も悦かったでしょう?可愛く啼いてましたもんね」
(聞こえない。聞こえない)
「きっと僕たち相性いいんですよ。またシましょうね」
うっとりしたような顔でのたまう骸の顔も、綱吉の視界には幸か不幸か入っていない。
(何も聞こえない。ここには何もない)
「…ねえったら綱吉君」
「うひゃああ!」
つーー、と背筋をなぞり上げられて、綱吉がようやくガバッと顔を上げて仰け反った。
「もっ、 やっ、 やめろよ!!」
「あ、やっとこっち向いてくれましたね」
ニコッと顔を輝かせる。
「ねえ綱吉君。今度はいつ会いますか?僕は大抵夜ならいつでも空いてますよ」
記念どころの話ではない。当然のように「次」の話をしている骸に、冗談じゃないと綱吉は首を横に振った。
「な、無いですよそんな今度とか!何勝手に話進めてるんですか!」
身体を壁際にくっつけるようにして、骸からなるべく離れて喚く綱吉に、骸がスッと目を細めた。
「ふぅん。僕が男だとわかったら、もう僕に用はないと」
「そ、そういう問題じゃなくて!」
男だとわかった上で散々な事をしておいて、よく言うものだと綱吉は目をむいた。
「僕に奉仕させるだけ奉仕させておいて、もうポイすると」
「どっ、どっちかっつーと俺が使われてなかった?!」
「じゃどういう問題ですか。もし僕が女の子だったら、君、このまま何だかんだで流されて付き合ってるんじゃないですか?」
「そ……ッ、それは…っ」
ぐ、っと言葉が詰まった。
だって正直、付き合うつもりだった。こんなんでなければ。
「言っておきますけど、君が喜んでメールをしていたあの相手も、紛れもなく僕ですからね」
「う…っ」
綱吉は視線を逸らした。
過去の自分をなかったことにできないのが、これほどまでに気まずく突き刺さってきた事も無い。
「クフフ…、そして、僕に弄られてひどく乱れてよがっていたのも、紛れもなく君だ」
「だ…っ、だから!それが!!」
「それが?」
そういうのがなかったら、普通に友達としてやっていけるかと思ったのに…!
「友達なんてふざけた事言わないでくださいよ、判ってると思いますけど」
心の中を見透かされたような気がして、ギクリと綱吉は身をこわばらせた。
「わ…… わかって る  よ…」
何でこんなことになったんだろう。会った当初は別に友達でもいいよ的な雰囲気だったような気がするのに。
たらたらと冷や汗が流れるような気がする。いっそ威圧的なオーラがこわい。
固まった綱吉に、フゥと骸がため息を吐いた。
「まぁ、別に無理強いはしませんよ。ただこれっきりにしたいのであれば、僕はもうちょっと僕の気のすむまでさせてもらうだけですけどね」
「え…っ?」
何やら恐ろしい言葉を聞いたような気がして、綱吉が骸を見返した。
何かを察しているらしいその綱吉の視線を受けて、骸がニヤリと笑った。
「一週間くらい君をこの部屋に置いて散々に弄らせてもらうぐらいならいいでしょう?まぁ、もう君の情報は大体掴んでますから、気のむいたときに襲えばいいだけなんですけど。君が僕と話し合い、交渉する気がないのなら、こちらも一方的な手段に出るしかないですよね」
(そ、それ脅迫って云わないかーー?!)
この男ならやりかねない気がする。
「そうではなくて」
恐怖でブルってしまいそうになる綱吉の頬に、骸はそっと手を添える。
「君が僕とちゃんと向き合ってくれるのであれば、僕は最大限の僕のやり方で君を大事に扱いましょう。僕が望んでいたのは、本来こちらですよ」
ちゃんとした言葉をもらったような気がして、綱吉が表情の緊張をゆるめた。
どうやら、どちらにしろ二択のようだ。
どっちにしたってこの男が絡んでくるのだ。前者は危険すぎる。
それなら―――
「……ちゃんと、ちゃんと、話し合いましょうね。いろいろ。俺もちゃんと骸さんの方を向きますから、骸さんもちゃんと俺のほうを向いてくださいね」
覚悟をきめた。
どう転んでいくにしたって、向き合うのが一番手っ取り早いのだ。
いずれごめんなさいするにしたって、ちゃんと向き合って段階踏んでからごめんなさいしたほうが、受け入れられるかもしれない。
おそらくそれは叶わない、方向性の違う覚悟を綱吉が決めている向かいで、骸は一瞬きょとんと目を見開いてから破顔した。
「…ええ!ええ!!ちゃんと君の方を向きますとも!」
「ぐ、ぐぇっ、ぐるじい骸さん…!!」
ぎゅううう、と肋骨が折れるぐらいに強く抱きしめられて、綱吉はじたばたもがいた。
くるくるとテンションと雰囲気の変わる骸に目を回しそうになりながらも、とりあえずはこれで大丈夫かと心の中でホッと息をついた。



全然、大丈夫じゃないのは後になってから痛いほどに判るのだが。


<終>

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